どうも。鉛筆画家の中山眞治です。さて、関東圏では桜もそろそろ終わりですね。これから日増しに暑くなっていきます。元気でお過ごしでしょうか? ^^
このガイドでは、鉛筆だけでトルコ桔梗を美しく描く方法を学べます。初心者向けにやさしく、鉛筆画や鉛筆デッサンに挑戦したいけれど、何から始めれば良いかわからないとおっしゃるあなたに、この記事では、初心者でも簡単にトルコ桔梗を美しく描く方法をご紹介します。
必要な物は鉛筆とスケッチブックや紙だけです。基本的なスケッチの仕方から、陰影のつけ方まで、画像や作品例と共にご説明していきますので、絵を描くのが初めての人でも安心です。今日からあなたも鉛筆画や鉛筆デッサンアーティストへの一歩を踏み出しましょう。
それでは、早速どうぞ!
トルコ桔梗の魅力と特徴:初心者もプロも知っておきたい基本情報
トルコ桔梗は、「トルコ」と名前に入っていますが、原産地は「アメリカテキサス州」であり、また、「キキョウ(桔梗)」と名前には入っていますが、科名は「リンドウ科」です。尚、呼び名については、「トルコギキョウ」「ユーストマ」「リシアンサス」などがあります。
リンドウ科の植物ですが、咲き姿が星のような形をしている品種が、キキョウ(桔梗)に見えることから、名前に「キキョウ」と付いています。
また「トルコ」は、花の色が、トルコ石の美しさ(青から緑色系統の色)に似ていたことから付けられた名前です。他にも、トルコ人のターバンに見えるからという説や、地中海の澄んだ色(トルコブルー)を連想されるという説もあります。
トルコ桔梗の花言葉とは?愛と尊敬を象徴する美しい意味
トルコ桔梗はボリュームのある花をつけ、カラーバリエーションも豊富なので、切り花やフラワーアレンジメントに使われる花として人気です。贈り物として選ぶときには、花言葉の意味を把握しておくことで気持ちがより伝わると言いますが、色によってもその意味合いは変わります。
この記事は、鉛筆画やデッサン制作のための記事なので、基本的には「白い花のトルコ桔梗」として考えていきますが、「白い花のトルコ桔梗」の花言葉は「永遠の愛」であり、ウェディングの場面でブーケとして使われることが多いのです。
ブーケは、真っ白なトルコ桔梗の花束で作られていることが多く、永遠の愛を誓う新郎新婦にふさわしい花といえるでしょう。プロポーズにトルコ桔梗の花束を贈るのもおすすめです。
トルコ桔梗全般の花言葉は「永遠の愛」以外にも、「優美」「すがすがしい美しさ」「感謝」「希望」「よい語らい」と言われていますので、色によって極端な花言葉の変化はないようなので安心して取り組めます。
尚、現在流通しているトルコ桔梗は、多くが日本で品種改良されたものです。2度の世界大戦により世界の園芸品種が消滅する中で、日本の農家がひっそりと栽培を続けてきました。
そして、終戦後も育種が行われ、現在も日本が開発をリードしている花です。これが由来となり「希望」という花言葉がつきました。お祝いの場面にふさわしい花言葉ですね。
トルコ桔梗の見事な開花シーン:その美しい咲き姿を完全解説
トルコ桔梗は、咲き姿にたくさんの種類があります。一重咲きや八重咲きの他にも、フリンジ咲きという変わった咲き方も人気ですが、鉛筆画やデッサン初心者のあなたが取り組む際には、複雑な花びらの形状は避けて、一重咲きを選びましょう。
その理由は、複雑な花の場合には、途中で挫折してしまう可能性が高いからです。油彩などの場合には、色を重ねていけばよいのでしょうが、鉛筆画やデッサンで取り組む場合には、形状を浮き立たせる際には、細かくトーンを入れる必要があり、作業が煩雑になるからです。
そこで、一重咲きの花であっても充分美しさは表現できますし、花言葉は同じなので、安心して一重咲きのトルコ桔梗に取り組んでいきましょう。
鉛筆画やデッサンで花を描く基本:初心者が押さえるべきスケッチのポイント
花は花弁の重なりと形を線でしっかりとらえてから、濃淡と形態感を表す調子をつけることが重要です。花芯から外へ伸びることを意識して、花弁のカーブに沿って調子(※)をつけると良いでしょう。
そして、安定感のある花瓶や一輪挿しに活けてある花は、観てくださる人に安定感や安心感を与えることができるので、花瓶などに活けた状態の制作がオススメです。
また、一つの花瓶に複数のトルコ桔梗を描くような場合には、さまざまな角度に花が向いていると多様性を表すことができると同時に、その中の一輪だけは真正面に向けて描くと、観てくださる人に、その花の視線を感じられるような印象を与えることができます。下の作品を参考にしてください。
やがて構図を取り入れて、構図上の中心の位置に正面を向いた花を置くのはあなたの意図する緊張感も感じられて楽しいでしょう。また、その際には、準主役の花は主役よりも目立たぬように描き、それ以外の脇役の花は更に目立たない描き方をすることで、主役が活き活きと描写できます。
この部分では、主役や準主役に「しっかりとハイライトを入れて」脇役には「ハイライトを抑えて描く」ことでも、主役や準主役を引き立てることができます。
※調子とは:「調子をつける」とか「調子で描く」ということは、色彩の明暗、強弱、濃淡などの的確な取り扱いを通して、立体感や空間感を表すことです。
完全ガイド:初心者でも美しくトルコ桔梗を描ける鉛筆画やデッサンテクニック
トルコ桔梗は、5弁が集まった杯(さかずき)と考え、中心を決めると描きやすくなります。数本のトルコ桔梗の花を自由に組み合わせて、主役の花を画面の中央に置き、背後をすっきりさせると画面全体が引き立ちます。
そして、他の種類の花を混ぜて配置する場合には、花の向きや高さを揃えない方が単調にならずに変化のある画面が生まれます。
また、この場合でも、あくまでも制作は鉛筆画やデッサンなので、他の花を混ぜる場合でも陰影のハッキリと識別できる「白い花」を選びましょう。白い花の背景に、濃いトーンを配置することで、白い花を際立てた描写ができます。
鉛筆画やデッサンにおける明暗とバランスのコツ:プロが教える配置法
質感の異なるモチーフを配置するときには、形の組み合わせだけを見て構図を決めてはいけません。白と黒の鉛筆画やデッサンでは明暗のバランスを考慮した配置が必要になります。
明るい調子、中間の調子、暗い調子を持った対象を配置する場合は、暗い部分が重なっていたり、明るい部分が重なっていたりせず、それぞれの形や特徴があいまいにならないように、明暗の対比を効果的に生かすことも大切な要素です。
明るい、暗い、中間の調子の順に配するなどで、対象を重ねても形があいまいにならないようにすることでメリハリがつけられます。
鉛筆画やデッサンで花を描き始める前に知っておくべき重要なポイント
トルコ桔梗に限らず、花全般の制作を行う際には、制作に入る前には必ず写真を撮っておきましょう。
その理由は、花はすぐにしぼんだり・枯れたりしますので、一番傷みやすい花の部分を最初に描くように心がけて、花びらよりも傷むスピードの遅い枝葉の部分は、時間の経過によっては画像を手掛かりとして制作を続けるという取り組みもできるからです。
できるものであれば、本当に始めて花の制作に取り組む場合には、「造花」で5枚くらい描いてから取り組んだ方がスムーズに「生花」と対峙できるのではないでしょうか。
ただし、造花では、本来の活きた花の持つ微妙な陰影は観察できません。そして、その場合には、できれば複雑な形状の花は避けて、白い簡単な構造の花を描くようにしましょう。白いチューリップやコスモスの造花などが良いかもしれません。
また、あなたの自宅のデスク上のスタンドの光を当てて、陰影がはっきりと掴める状態で描くこともオススメです。尚、黒い下敷きの上に花瓶に活けたモチーフを置くと、きれいな影まで描くことに役立てられます(下の画像を参照してください)。
鉛筆画やデッサンのアクセント:花瓶や水差しの描き方のコツ
トルコ桔梗を描くにあたって、花瓶などの備品も用意するべきでしょう。だからと言って、高い花瓶などは必要ありません。
100円ショップなどで販売している、例えば日本酒などを飲むときに使う「とっくり」や、なべ物を食べる際の「アク取り」の器などでも良いのです。
筆者の場合には、艶消しのこげ茶の花瓶を使うことが好きで、よく制作に活用しています。上記の画像などがその例です。ぼんやりと光っている花瓶などをトルコ桔梗と一緒に描くと、なんとも味のある作品に仕上げることが可能になります。
あるいは、あなたの家にある、グラスなどを一輪挿し代わりに使うなどでも面白いのではないでしょうか。高いものを揃えるのは、あなたがかなり上達してからで充分です。筆者も、そのようにしてきました(例えば下の画像のような形状で安価なものもあります)。
尚、少し鉛筆画やデッサンの制作に慣れて来ましたら、見映えのする花瓶を用意しましょう。作品に一段と味が出ます。
絵画鑑賞にオススメなスポットと準備
絵画愛好家必見!おすすめの公募展とその魅力
ところで、たまには絵を見に行きませんか。筆者の印象では、日展は「きれいなだけで個性的で野心的な作品は少ない」記憶しかありません。
おすすめは第一に国画会の展覧会である「国展(4月末~5月中旬)」、次いで独立美術協会の展覧会である「独立展(10月)」や、新制作協会の展覧会である「新制作展(9月下旬~10月上旬)」です。
展覧会(全国公募展等)へ行きましたら、細かな技法ばかりを見るのではなくて、作品から受けるあなたの印象が重要です。
最初の内はよくわからなくても、あなたが強く惹かれた・感性に響いた作品の印象をあなたの作品にどう反映できるかを考えるのです。
絵画鑑賞で大切なのは?作品の大きな要素を捉える方法
筆者は、恥ずかしながら、抽象画がいまだによくわかりませんが、印象に残る具象画を見て帰ってくると、その印象を自身の作品に、どのように取り込むことができるかを考えるようにしています。しかし、そっくりまねることはしません。著作権がありますし、意味もありません。
細かいところまでを全部取り込もうとするのではなく、構図などの大きな成り立ち及び配置や濃淡のつけ方、画面の持っている「新たな着想」などを取り込むようにするということです。
もっと具体的に言えば、構図やデッサンは当然一番重要であり充分観察が必要ですが、あなたの感性に響いた作品の4隅(4つの角の周辺処理)は、どのように充実させているかということも研究することはとても重要です。
それは、あなたの制作する画面は、大きな視野の中の一部にすぎません。つまり画面の特に4隅が、外に向かう視野へ導けるように、その外へと広がりを感じられるように制作を心がけるということです。筆者も、この部分はいつも研究を続けています。
参考情報
◆ 開催日:2024年5月1日(水)~13日(月)
◆ 会 場:国立新美術館(六本木)
◆ 時 間:午前10時~午後6時
まとめ
第2回個展出品作品 トルコ桔梗 1996 F6 鉛筆画 中山眞治
トルコ桔梗はその美しさで多くの人々を魅了していますが、その魅力や花言葉、美しい咲き姿について詳しく知ることで、さらに深い愛着を感じることができます。
トルコ桔梗の花言葉には「永遠の愛」「尊敬」といった美しい意味が込められており、花自体もその名の通りトルコ原産で、特有の形状と色が特徴です。これらの知識を深めることで、トルコ桔梗の花が持つ本当の美しさを理解しやすくなります。
また、鉛筆画やデッサンでトルコ桔梗を描く技術を身につけることは、アートの世界への素晴らしい第一歩となります。鉛筆だけで始める花のスケッチは、基本的な取り組み方を学ぶ絶好の機会です。
この記事では、明暗やバランスの取り方、花瓶や水差しの効果的な描き方など、鉛筆画の技術を磨くための重要なポイントが満載です。特に初心者の人にとって、これらの技術は絵を描く上での自信となり、より複雑な作品への挑戦へとつながります。
さらに、定期的な絵画鑑賞はインスピレーションを得るための最良の方法の一つです。オススメの公募展やアートのスポットを訪れることで、さまざまなアーティストの作品を間近に観ることができ、自身の技術向上にも役立つはずです。
大きな要素を捉えることが絵画鑑賞のコツであり、これをマスターすることで、あなたのアートへの理解が一層深まります。
このように、トルコ桔梗の知識から鉛筆画やデッサンの技術、さらにはアートの鑑賞に至るまで、幅広い情報を提供することで、読者の皆様に芸術への新たな一歩を踏み出すお手伝いをすることを目指しています。
それぞれの章が技術や知識の向上に寄与し、より豊かなアートライフを送るための一助となれば幸いです。
尚、あなたが鉛筆画やデッサンを制作するうえで、「取り組む以上は各種展覧会や公募展にも出品したい」と考えるのであれば、モチーフを上手に描けるだけでは入選できません。
そのような場合には、あなたの取り組む画面全体を構成や構図で使い切って、より魅力的な仕上がりが必要になりますし、当然事前の充分な構想を練ることも必要になります。この点について興味のある人は、次の2つの関連記事も参考にしてください。
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ではまた!あなたの未来を応援しています。
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