鉛筆画・デッサンで初心者が簡単にコスモスを描く方法!

花の描き方

 どうも。鉛筆画家の中山眞治です。さて、桜の盛りも過ぎ、あっという間に葉桜の季節になりましたね。元気でお過ごしでしょうか? ^^

 さて、今回の記事は、「鉛筆画・デッサンで初心者が簡単にコスモスを描く方法!」というテーマで進みますが、鉛筆画の制作にあたっては、最初のうちは構図を意識せず自由に10作品以上描いて、描くことにある程度慣れることが必要です。

 その理由は、最初からいろいろ考え込んでしまうと挫折につながるからです。そして、鉛筆画制作の基本的なことに慣れてきた後には、作品をより魅力的に構成することのできる「構図」についても研究していきましょう。

 各種展覧会や公募展へ出品して、入選以上の「入賞」を目指したり、作品をより魅力的な仕上がりにするためにも、構図は必要になってくるのです。

 尚、あなたが構図について興味のある場合には、私の「鉛筆画で初心者が簡単に構図を取り込む方法とは!」の5記事がこの記事の最下部にありますので、是非参考にしてみてください。

 そして、私の作品に基づいた具体的な構図の取り込み方は、あなたが構図に取り組む初めの段階で、この5種類の構図を用いれば当面の展開ができるはずです。

 また、鉛筆画で花を描くうえで、初歩的な部分につきましては次の記事も参照してください。幅広く基本的なことから、たくさんのことをご説明しています。

関連記事:鉛筆画で初心者が簡単に花を描くポイントとは?

 それでは、早速見ていきましょう!

コスモスについて

 コスモス(秋桜)は、「愛情」を意味する花言葉が多いのが特徴です。秋桜と書いてコスモスと読むこの花は、秋のイメージの強い花と言えるでしょう。

 また、9月14日は「コスモスの日」となっています。3月14日のホワイトデーから半年経った日に、恋人へコスモスの花をプレゼントして、お互いの愛を確認する日とも言われています。尚、このコスモスは、9月19日の敬老の日に贈るのもおすすめの花とされています。

コスモス(秋桜)の名前の由来

コスモスのネーミングの意外性

 コスモスの和名は「秋桜」です。これは本来「あきざくら」と読まれ、コスモスという読みではありませんでした。秋桜とは、秋に桜のようなピンク色の花を咲かせることから名付けられたものだったのです。

 そして、秋桜と聞くと、日本発祥の花のような印象を受けますが、実は明治の初め頃に入ってきた外来種で、強い風になびいても負けない丈夫な品種ということもあり、明治後期には全国に広まりました。

秋桜のコスモス読みは実は当て字だった

 また、コスモスと呼ばれるようになった理由は、昭和の代表的な歌手、山口百恵さんの「秋桜」という曲が大ヒットしたことがきっかけとされています。

 この曲を作詞作曲した「さだまさし」さんが、「秋桜」をコスモスと読ませ、歌謡曲がヒットしたため、その読み方が一般的になったそうです。歌謡曲が由来で、しかも当て字だったとは知りませんでしたね。

 尚、コスモスとは、ギリシャ語で「秩序ある世界」の意味であり、ヘラクレスやピタゴラスの思想にも用いたとされる資料があるそうです。

コスモスの花言葉

コスモスには5色あり、色によって花言葉が異なります

ピンク色のコスモスの花言葉

 ピンク色のコスモスの花言葉は「乙女の純潔」です。秋の夕日に映えるピンクの花にふさわしい可愛らしい花言葉です。

赤色のコスモスの花言葉

 情熱的な印象の赤いコスモスの花言葉は、「乙女の愛情」・「乙女の調和」であり、慎ましく愛に溢れた花言葉です。

白色のコスモスの花言葉

 白色のコスモスの花言葉は「優美」「美麗」「純潔」です。穏やかな秋の夕日の中で、静かに揺れる沿道のコスモスを連想させます。

黄色のコスモスの花言葉

 黄色のコスモスの花言葉は「野生的な美しさ」「自然美」「幼い恋心」です。珍しい黄色のコスモスは、実は品質改良で作られた人工的な色だそうです。

黒色のコスモスの花言葉

 黒色のコスモスの花言葉は「恋の終わり」「恋の思い出」「移り変わらぬ気持ち」。別名チョコレートコスモス。その名の通り、真っ黒というよりもチョコレートの色のように感じる色です。

 そして、本当にチョコレートのような甘い香りがするんだそうです。この色だけは、他の色に比べると別れを連想させる寂しい花言葉です。

コスモスの代表品種とは?

センセーション

 花が大きく強健なことから広く栽培され、コスモスといえばこの品種といってもよいほどの普及品種です。

シーシェル

 コスモスは通常スプーン状の花弁を持ちますが、この品種は花弁が筒状になるおもしろい花形なので人気もあります。

ダブル・クリック

 八重咲きと半八重咲きが交じる品種です。八重咲き品種としては最も豪華な花形が、高い確率で咲きます。密植したり、成長不良の株では花弁が減って一重に近くなります。

ソナタ

 草丈が低く扱いやすい品種で、鉢植えで流通するものの多くはこの品種です。タネまきから開花し始めるまでは非常に早く成長しますが、開花期間は短いそうです。

イエロー・ガーデン

 ピンク系の色しかなかったビピンナツス種といいます。初めてつくられた黄花の品種であり、オレンジ色や濃赤の「キャンパスシリーズ」のもととなりました。

参考:みんなの園芸

コスモスとは|育て方がわかる植物図鑑|みんなの趣味の園芸(NHK出版) (shuminoengei.jp)

コスモスの咲き姿

 コスモスの咲き姿は、正確には前述のように多品種ではありますが、私たちの目にする一般的な品種は一重咲きなので、鉛筆画初心者のあなたが取り組む際には、都合の良い花と言えます。

 しかし、葉は細いので、一緒に描く場合には描きにくさがあるかもしれませんが、葉の部分をたくさん画面に入れなければよいのです。

 なぜならば、鉛筆画の場合には、背景を鉛筆によるトーンで「抜く(浮き上がらせる)」必要があるために、制作が煩雑になるからです。

鉛筆画・デッサンで花を描く際の基本的な取り組み方

鉛筆画・デッサンで花を描く際の手順

 花は花弁の重なりと形を線でしっかりとらえてから、濃淡と形態感を表す調子(※)をつけることが重要です。花芯から外へ伸びることを意識して、花弁のカーブに沿って調子をつけると良いでしょう。

 そして、安定感のある花瓶や一輪挿しに活けてある花は、見る人に安定感や安心感を与えることができるのでおすすめです。

 また、一つの花瓶に複数のコスモスを描くような場合には、さまざまな角度に花が向いていると多様性を表すことができると同時に、その中の一輪だけは真正面に向けて描くと、見てくださる人に、その花の視線を感じられるような印象を与えることができます。

※調子とは:「調子をつける」とか「調子で描く」ということは、色彩の明暗、強弱、濃淡などの的確な取り扱いを通して、立体感や空間感を表すことです。             

              コスモス 1997 F10 中山眞治

鉛筆画・デッサンで花を描く際のポイント

 やがて構図を取り入れて、構図上の主役の位置に正面を向いた花を置くことによって、あなたの意図する緊張感も感じられて楽しめるでしょう。

 また、その際には、準主役の花は主役よりも目立たぬように描き、主役や準主役以外の花は更に目立たない描き方をすることで、主役が活き活きと描写できます。

 つまり、一番目立たせるべき主役の花には一番明るいハイライトや濃いトーンを入れて、目立つようにするということです。

コスモスの花びらの数について

 あなたは、コスモスの花びらの数は何枚なのか知っていますか?8枚のように見えますが、実際は5枚だそうです。

 コスモスは、キク科に属していて舌状花が8枚で、それぞれの舌状花の花弁が1枚に見えますが、正確には合弁花で花びらの数は5枚が正解だそうです。

 しかし、ここでは難しいことは関係ありません。コスモスの花びらは8枚に見えるのですから、そのまま制作に入りましょう。

 尚、一般的なコスモスは、一番定番なのがオオバハルシャギクと呼ばれる品種で、秋ではなく6月に咲く早生品種もあります。

鉛筆画・デッサンでのコスモスの描き方

 コスモスは、8弁が集まった杯(さかずき)と考え、中心を決めると描きやすくなります。数本のコスモスの花を自由に組み合わせて、主役の花を画面の中央に置き、背後をすっきりさせると画面全体が引き立ちます。

 そして、他の種類の花を混ぜて配置する場合には、花の向きや高さを揃えない方が単調にならずに変化のある画面が生まれます。

 また、この場合でも、あくまでも制作は鉛筆画なので、他の花を混ぜる場合でも陰影のハッキリと識別できる、複雑な咲き姿ではない一重の「白い花」を選びましょう。

鉛筆画・デッサンの配置の明暗とバランス

 質感の異なる対象を配置するときは、形の組み合わせだけを見て構図を決めてはいけません。白と黒の鉛筆デッサンでは明暗のバランスを考慮した配置が必要になります。

 明るい調子、中間の調子、暗い調子を持った対象を配置する場合には、暗い部分が重なっていたり、明るい部分が重なっていたりせず、それぞれの形や特徴があいまいにならないように、明暗の対比を効果的に生かすことも大切な要素です。

 明るい、暗い、中間の調子の順に配するなどで、対象を重ねても形があいまいにならないようにすることでメリハリがつけられます。

鉛筆画・デッサンで花を描く場合の注意点

花は傷みやすいのである手段が必要です

 コスモスに限らず、花全般の制作を行う際には、制作に入る前には必ず写真を撮っておきましょう。

 その理由は、花はすぐにしぼんだり・枯れたりしますので、一番傷みやすい花びらの部分を最初に描くように心がけて、傷むスピードの遅い枝葉の部分は、時間の経過によっては画像を手掛かりとして制作を続けるという取り組みもできるからです。

 できるものであれば、本当に初めて花の制作に取り組む場合には、「造花」で2~3枚描いてから取り組んだ方がスムーズに「生花」と対峙できるのではないでしょうか。

生花は光を当てて陰影をつけると効果的な仕上げを楽しめます

 造花による練習を終えましたら、是非、活きた花を描きましょう。できれば一重の白いコスモスを選び、生花の持つ微妙な陰影をよく観察しましょう。

 また、あなたの自宅のスタンドの光を当てて、陰影がはっきりと掴める状態で描くことがおすすめです。尚、黒い下敷きの上に花瓶に活けたモチーフを置くと、きれいな影まで描くことに役立てられます。             

第2回個展出品作品 薔薇(造花) 2000 F10 中山眞治

鉛筆画・デッサンの花瓶や水差しについて

 コスモスを描くにあたって、花瓶などの備品も用意するべきでしょう。だからと言って、高い花瓶などは必要ありません。100円ショップなどで販売している、例えばシャンパングラスやワイングラスなどでも良いのです。

 私は、花を描く場合には、ガラス製(プラスチックでも良い)の一輪挿しを使って、一輪挿しの反射も描き込むのが好きです。ぼんやりとガラス製の花瓶が影の中に光っているのを一緒に描くと、なんとも味のある作品に仕上げることが可能だからです。

 あるいは、あなたの家にある、グラスなどを一輪挿し代わりに使うなどでも面白いのではないでしょうか。高いものを揃えるのは、あなたが上達してからで十分です。私も、そのようにしてきました。

 尚、少し鉛筆画・デッサンの制作に慣れて来ましたら、見映えのする一輪挿しや花瓶を用意しましょう。作品に一段と味が出ます。

たまには絵画鑑賞に出かけましょう

絵画を見に行く際のおすすめな公募展

 ところで、たまには絵を見に行きませんか。私の印象では、日展は「きれいなだけで、個性的で野心的な作品は少ない」記憶しかありません。

 おすすめは第一に、国画会の展覧会である「国展(4月末~5月中旬)」、次いで独立美術協会の展覧会である「独立展(10月)」や、新制作協会の展覧会である「新制作展(9月下旬~10月上旬)」です。

 展覧会(全国公募展等)へ行きましたら、細かな技法ばかりを見るのではなくて、作品から受けるあなたの印象が重要です。最初の内はよくわからなくても、あなたが強く惹かれた・感性に響いた作品の印象をあなたの作品にどう反映できるかを考えるのです。

絵画鑑賞では大きな要素を掴みましょう

 私は恥ずかしながら、抽象画がいまだによくわかりませんが、印象に残る具象画を見て帰ってくると、その印象を自分の作品に、どのように取り込むことができるかを考えるようにしています。

 しかし、そっくりまねることはやめましょう。著作権がありますし、意味もありません。細かいところまでを全部取り込もうとするのではなく、構図などの大きな成り立ち及び配置や濃淡のつけ方、画面の持っている「新たな着想」などを取り込むようにするということです。

 もっと具体的に言えば、構図やデッサンは当然一番重要であり充分観察が必要ですが、あなたの感性に響いた作品の4隅(4つの角の周辺処理)は、どのように充実させているかということを研究することはとても重要です。

 4隅の充実とは、絵画の4隅がその外へ広がる表現をどのように行っているのかを研究することです。私たちの見ている絵画の画面は、大きな視野の全体から切り取った一部なので、外界へと繋がる広がりを鑑賞者にどうやって表現するかという認識が大切なのです。

参考情報

国展:第96回国展デジタル版 | 日本最大級の公募展。第96回国展web 版。 (kokuten.com)

独立展:独立展|第89回独立展 (dokuritsuten.com)

新制作展:2022年第85回新制作展 日程 | 新制作協会 (shinseisaku.net)

まとめ

 今回の、鉛筆画・デッサンで初心者が簡単にコスモスを描く方法!では、描くことの基本を見てきましたが、最初から、これらのことすべてを何が何でも作品に盛り込もうとすると挫折します。あくまでも基本的なこととして理解し、まずは描き始めることを優先させましょう。

 そして、たまに時間があるときなどに、「繰り返し繰り返し」描いていく各段階で、これらのことを考えていくような状態がベストだと私は思いますし、私自身もそのようにしてきました。

 尚、鉛筆画は身近な文具から始めることができて、老若男女どなたでも、いつからでも気軽に楽しめるので、あなたが新たに鉛筆画に没頭できるとした場合、次のような効果が期待できます。

  • お金があまりかからない
  • 没頭できる趣味になれば、おのずと浪費が減り節約ができて投資に充てられる
  • 一人でも楽しめる
  • いつでも(何時でも)できる
  • 天候に左右されない
  • 老後に備えた節約になる
  • 全く別世界の友人が新たにできる(老若男女)
  • 異性との出逢いにも連動できる場合がある
  • 異性とのデートでも展覧会や美術館の常設展を有効に活用できる
  • 趣味からプロへの道も開ける可能性がある
  • 展覧会などで自分の作品の発表ができる
  • 画家になった場合作品を販売できる可能性がある
  • 画家になった場合作品の描き方をネットで販売できる可能性がある
  • 国内や海外旅行の目的に展覧会・美術館訪問を加えることができる
  • 年老いても続けられる

 あなたは、もしも画家になりたいのであれば、私のように高卒で過去に全く絵を描いたことがなくても、自分自身の中の埋もれている「可能性」を目覚めさせる努力さえできれば実現できます。

 逆に、美大を出たために、余計な知識が身についてしまったり、大して才能のない講師について、その講師を超えられず頭でっかちな屁理屈ばかりこねても、まったく意味などありません。

 完成度が高く、人を惹きつけられるような、自分自身で納得できる作品をどのように制作するかを考えることが大切です。

 まずは、基礎を学んだあとに自分でいろいろ試行錯誤して、思い切って市や区の展覧会や公募ガイドなどに載っている企画などにもどんどん出品してみましょう。

 やってみなければ解らないことはいくらでもあります。おじけづかないで、のびのびと楽しんで取り組んでいきましょう。

 個展や県展・全国公募展へ出品するのは、はっきり言って最初は「ドキドキもの」ですが、大胆に行くことも人生必要です。振り返ってみると、意外に大きな壁ではありませんよ!

 ではまた!あなたの未来を応援しています。

<鉛筆画で初心者が簡単に構図を取り込む方法・構図関連5記事>

・第1記事 鉛筆画で初心者が簡単に構図を取り込む方法とは! (黄金分割と垂直・水平線)

・第2記事 鉛筆画で初心者が簡単に構図を取り込む方法とは! (√2と光を中心とした中空の三角)

・第3記事 鉛筆画で初心者が簡単に構図を取り込む方法とは! (√3と逆三角形)

・第4記事 鉛筆画で初心者が簡単に構図を取り込む方法とは! (3分割と√3)

・第5記事 鉛筆画で初心者が簡単に構図を取り込む方法とは! (4分割と3角形×2)

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