空きビンに練り消しゴムで光を描く!鉛筆画・デッサンの具体的な制作手法

鉛筆画

 どうも。私は、プロ鉛筆画家の中山眞治です。

 さて、鉛筆画やデッサンで、空きビンの透明感や光を表現するのは、難しいと感じる人も多いでしょう。しかし、練り消しゴムを使った描写テクニックをマスターすれば、誰でも簡単にリアルな空きビンへ光を描くことができます。

 この記事では、空きビン全体にハッチングを施し、練り消しゴムで光の部分を拭き取った後に、全体を仕上げる手法について解説します。この方法を用いて、リアルで美しいビンの鉛筆画やデッサンを完成させましょう。

 それでは、早速どうぞ!

空きビンを描くための準備とツール選び

カミュ コニャック デキャンタの画像です

 空きビンを描く際には、適切な準備とツールを揃えることで、リアルで美しい空きビンの鉛筆画やデッサンを描くことができます。本章では、空きビンを描くための準備と必要なツールについて解説します。

必要なツールリスト

 空きビンを描くために必要なツールを以下に挙げます。

  • 鉛筆セット : さまざまな硬さの鉛筆(2Hから4Bまで)を用意しましょう。異なる硬さの鉛筆を使うことで、細かいディテール(詳細)や陰影を表現できます。
  • 練り消しゴム : 光の部分を描くために必須のアイテムです。柔らかくて形を変えやすいため、細かい部分の修整にも適しています。
  • プラスチック消しゴム : 練り消しゴム以外にも、一般的なプラスチック消しゴムも用意しておくと、食い込んだ鉛筆を消す際に便利です。
  • スケッチブックや紙 : 質の良い厚めのスケッチブックや紙を選びましょう。紙の質が良いと、破れにくく鉛筆の乗り具合や描き味も向上します。
  • 鉛筆削り : 鉛筆の先を常に鋭く保つために、鉛筆削りは必須です。
  • 定規 : 空きビンの直線を描くために、定規を使うこともあります。

鉛筆の選び方

 鉛筆の選び方は非常に重要です。硬い鉛筆(H系統)は細かい線を描くのに適しており、柔らかい鉛筆(B系統)は濃い陰影をつけることに適しています。

 空きビンの透明感や光の表現には、硬さの異なる鉛筆をうまく使い分けることがポイントです。詳細は、次の関連記事を参照してください。

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練り消しゴムの使い方

 練り消しゴムは、光の部分を描くために非常に効果的です。最初に、モチーフ全体に薄く4種類の縦横斜めの、クロスハッチングでトーンの面を作り、練り消しゴムで光の部分を拭き取ることで、リアルな光の表現が可能になります。

 また、練り消しゴムを小さくちぎって細かい部分を修整することもできます。詳細は、次の関連記事を参照してください。

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スケッチブックや紙の選び方

 スケッチブックや紙の選び方も大切であり、鉛筆の濃淡をしっかり表現できる質の良いものを選びましょう。中目程度の紙肌は鉛筆のタッチを強調し、細かい描写もしやすくなります。

 一方、細目の紙は滑らかな描写が可能で、均一な陰影をつけやすいです。詳細は、次の関連記事を参照してください。

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準備の流れ

  • ツールの準備 : 必要なツールを全て揃えます。
  • スケッチブックや紙 : スケッチブックや紙をイーゼルや画板に据えます。
  • 鉛筆を削る : 鉛筆の先を鋭く削ります。
  • ラフスケッチ : 空きビンの形をざっくりと描きます。
  • ハッチング : 空きビン全体に薄くクロスハッチングを施します。
  • 光の描写 : 練り消しゴムで光の部分を拭き取ります。

 これらの基本準備とツール選びをしっかり行うことで、空きビンの鉛筆画やデッサンがよりリアルで美しく仕上がります。準備を怠らず、丁寧にツールを選びましょう。

ハッチング技法で空きビンに下地を作る方法

蕨市教育委員会教育長賞 灯(あかり)の点(とも)る静物 2000 F30 鉛筆画 中山眞治

 空きビンを描く際のハッチング(線を重ねる)技法は、描画の基礎を築くために非常に重要です。正確な下地を作ることで、空きビンの透明感や立体感を効果的に表現できます。

 本章では、ハッチング技法を用いたビンの下地作りについて解説します。

ハッチング技法の基本

 ハッチングとは、短い平行線を重ねて陰影や質感を表現する技法です。クロスハッチングとは、縦横斜めの異なる4方向からの線を重ねることで、必要となる面を作り出せます。まずはハッチング技法の基本を理解することから始めましょう。

 尚、描きにくい方向の線がある場合には、画面の方を動かすことで、問題なく描けますので、試してみてください。

空きビンの輪郭を描く

 空きビンを描き始める際には、まずその輪郭を正確に描くことが重要です。鉛筆を使って、空きビンの形を丁寧にスケッチします。

 この段階では、細かいディテール(詳細)よりも、全体の位置・形状・大きさ・バランス・プロポーション(比率)に注意を払いましょう。

空きビンの輪郭線の左右が対象に描けない場合の対処法

 鉛筆デッサンや鉛筆画を取り組み始めた最初は、モチーフのデッサンに苦しむことでしょう。そこで、空きビンの両肩が左右対称にならないときなどには、決してオススメしているわけではありませんが、次の方法も参考にしてみてください。

 その方法は、空きビンの縦に定規で中心線を描いて、うまく描けている側の輪郭線を中心線から測って、うまく描けなかった反対側へ優しく軽く点を打ち、2cm間隔くらいで上から下まで、その方法で点を打っていきます。

 その後、その点を全部をつなげれば、左右対称の輪郭を得られます。この場合の点は、優しく薄く描き込みましょう。強く描き込んでしまうと、仕上がり時に修整が難しくなるからです。

 また、これは、絵画教室でやってはいけません。その理由は、絵画教室の講師の人々は「フリーハンドでの制作」にこだわりのある人が多いので、「気まずい雰囲気」になる可能性が高いからです。あくまでも、これをやるときは自宅で行いましょう。^^

ハッチングで陰影を作る

 空きビンの輪郭が完成しましたら、縦横斜めの4通りの線によるクロスハッチング技法を使って、下地を作ります。このクロスハッチングによって、空きビンの表面に淡い均一なトーンの面が生まれます。

 そして、この作業においては、HBなどの鉛筆を優しく軽く持ち、そっと薄く陰影を入れることを忘れないでください。濃く描いてしまうと、光っているべき部分を、練り消しゴムで拭き取りにくくなってしまうからです。

 尚、上の画像では、分かりにくいかもしれませんが、既にHBで作った面に「練り消しゴム」で光っている部分を拭き取っています。その後の、次の画像で確認できます。

練り消しゴムで光を描く

 練り消しゴムを使って空きビンに光を描きます。クロスハッチングで作った陰影の面に、光が当たっている部分を練り消しゴムで優しく拭き取ります。これにより、空きビンにリアルな光の表現が加わります。

ディテールを追加する

 光の部分を拭き取ったあとは、その光の部分を丹念に確認しながら、光の形状を仕上げます。その際には、クロスハッチングで使ったHBの鉛筆で、優しく光の形状を補足的に描き込みます。

 そして、空きビンの細かいディテールを追加していきます。空きビンの口や底、ラベルなどの細部があれば、それらもこの時点で描き込みます。

トーンの入れ方の手順

 その次の手順としては、空きビンの濃い色のところからトーンを入れ始めて、徐々に明るいところへと描き進みます。上の画像を再度確認してください。

 やがて、練り消しゴムで拭き取った、光っている部分の周囲を描き進むことになりますが、光っている部分を光っているように見せるためには、その光っている部分の背景や隣接部に濃い色が必要になります。 

 このような手順で、何度も空きビン上の一番濃いトーンのところを濃くして、徐々に明るいところを描き進んでいきましょう。上の画像では、空きびんの濃い色の部分から描き始めている画像です。

濃いトーンを深める際にもクロスハッチングは効果的

完成作品 家族の肖像 2024-Ⅳ F4 鉛筆画 中山眞治

 濃いトーンのところは、あなたが筆者の一連の記事を参照しているとすれば、手元にある一番濃い鉛筆は4Bのはずですので、その4Bでしっかりとトーンを乗せましょう。

 このトーンを乗せにくい場合にも、クロスハッチング技法は効果的に濃いトーンを実現できます。正確な輪郭描写と丁寧なクロスハッチング技法を駆使して、リアルで立体的なビンの鉛筆画や鉛筆デッサンを創り上げましょう。

練り消しゴムを使った光の表現テクニック

          ウオッカの空きビン画像です

 鉛筆画や鉛筆デッサンで光を表現するためには、練り消しゴムの使用が欠かせません。特に空きビンのような透明なモチーフに光を描く場合、練り消しゴムを使ったテクニックは非常に効果的です。

 本章では、練り消しゴムを使って光を表現する具体的な方法を解説します。

練り消しゴムの基本操作

 練り消しゴムは、柔らかくて形を自由に変えられる消しゴムです。その特性を活かして、細かい部分の修整や光の表現に役立ちます。まずは練り消しゴムの基本的な使い方を理解しましょう。

練り消しゴムのこね方

練り消しゴムの画像です

 筆者の、練り消しゴムの「こね方」では、まず、新たに購入してきたばかりの物であった場合を前提に説明します。

 製品は、上の画像のように長方形の形をしていますので、その長辺の上下を持って引き延ばし、二つに折って、タオルを絞るようにねじり、その後、再度上下を持って引き延ばして二つに折るという具合にこねています。

 気温が低い冬場では、この「こねる」ことは難しいので、気温の高い夏などに、2~3回しっかりと「こねて」あげましょう。筆者の使っている「練り消しゴム」の、一番古い物は、何と30年も使い続けています。

形を整える

 練り消しゴムを手で「こね」て柔らかくし、必要な形に整えます。細かい部分を消す場合は、先端を尖らせると良いでしょう。

 筆者の場合には、細くした先端をマイナスドライバーやプラスドライバーの形状にして、使用することが多いです。

軽く拭き取る

 今回のテーマである、空きビンに光を描く際にも、練り消しゴムを練って先端を細くした形状で、モチーフの光っている部分を「描き」ましょう。

 尚、練り消しゴムは、消したい部分に軽く押し当てるだけでも、鉛筆の線や陰影を薄くしたり、消したりすることができます。

光の強弱を表現する

 光の強弱を表現するためには、練り消しゴムの使い方に工夫が必要です。以下の手順で進めましょう。

  • 光の部分を決める : まず、空きビンに光が当たっている部分を確認します。光源の位置を確認し、どこに光が反射しているかをよく観察します。
  • 軽いタッチで拭き取る : 光が当たっている部分に、練り消しゴムの形状を鋭くして「光」を描きます。この時に、拭き取りを失敗した場合には、改めてトーンを乗せれば続きを行えますので、リラックスして臨みましょう。
  • グラデーションを作る : 光が強く当たっている部分は完全に消します。尚、光ってはいないものの、明るめの部分の補修には、練り消しゴムを「小さなしゃもじ」のような形状にして、軽くトーンの面を「なでて」トーンの状態を調整したり、鉛筆でトーンを補足することで、リアルな光の表現が可能になり、自然なグラデーションが生まれます。

反射光の表現

第2回個展出品作品 モアイのある静物 2000 F50 鉛筆画 中山眞治

 空きビンの透明感を出すためには、反射光の表現も重要です。練り消しゴムを使って反射光を描くことで、空きビンの立体感が増します。

  • 反射光の位置を決める : 光源からの反射光がどの位置に当たっているかを確認し、その部分を軽く消します。
  • 複数の反射光を描く : 一つの光源だけでなく、複数の反射光を描くことで、空きビンの透明感がよりリアルになります。練り消しゴムで細かく消しながら調整しましょう。

ディテールの強調

     第1回個展出品作品 胡桃のある静物 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

 練り消しゴムを使った光の表現は、ディテール(詳細)を強調することにも役立ちます。空きビンの細かい部分に光を入れることで、全体の完成度が高まります。

  • 細かい部分を消す : 空きビンの縁や模様など、細かい部分に練り消しゴムを使って光を描きます。これにより、空きビン全体がより立体的に見えます。
  • 強調したい部分を選ぶ : 全体のバランスを見ながら、特に強調したい部分を入念に拭き取ります。ただし、全体を過度に消しすぎないように注意しましょう。

仕上げのポイント

 最後に、全体のバランスを整えます。練り消しゴムで消した部分が自然に見えるように、周囲との調和を考えながら調整します。

  • 全体を見直す : 描き上がった空きビン全体を見て、光と陰影のバランスを確認します。
  • 微調整 : 必要に応じて練り消しゴムで細かい部分を微調整し、最終的な仕上げを行います。

 これらのテクニックを駆使することで、練り消しゴムを使ったリアルな光の表現が可能になります。空きビンの描写に自信を持って取り組んでください。

空きビンのディテールを仕上げるためのポイント

            ガラス製アルコールボトルの画像です

 空きビンを描く際には、ディテール(詳細)の表現が作品の完成度を大きく左右します。

 本章では、空きビンのディテールを仕上げるための具体的なポイントとテクニックを紹介します。ディテールを正確に描くことで、空きビンのリアルさや質感をより高めることに結びつけられます。

空きビンの形状とプロポーション

 まずは、空きビンの形状とプロポーション(比率)を正確に捉えることが重要です。ディテールを描き込む前に、以下のステップを確認しましょう。

  • 正確な輪郭を描く : 空きビンの輪郭を正確に描き、全体のバランスを確認します。歪みがないように注意しながら、細部にまで気を配ります。
  • 輪郭を整える : 空きビンの輪郭線の左右対称を注意深く確認します。

空きビンの厚みと透明感

 空きビンの厚みや透明感を表現するためには、適切な陰影の描写が欠かせません。

  • 層を重ねる : 空きビンの厚みを表現するために、鉛筆の濃淡を使って層を重ねます。外側から内側に向かって徐々に濃くすることで、立体感が生まれます。
  • 光の反射を描く : 空きビンの透明感を出すために、光の反射を細かく描き込みます。練り消しゴムを使って光の部分を強調し、リアルな表現を目指しましょう。

細部の描き込み

 空きビンの細部を描き込む際には、以下のポイントに注意します。

  • 模様やテクスチャー : 空きビンに模様やテクスチャー(感触や風合い)がある場合には、H系統の鉛筆で、それを細かく描き込みます。鋭い鉛筆を使い、細かい線を重ねていきます。
  • 口回りの部分 : 空きビンの口回りをしっかり描くことで、全体のリアルさが増します。ここでは、陰影を使って奥行きも表現することが重要です。

光と影のバランス

 空きビンのリアルな表現には、光と影のバランスが欠かせません。これを正確に描くためのポイントを押さえましょう。

  • 光の強弱を調整 : 光が当たっている部分の強弱を細かく調整します。強い光が当たっている部分はしっかりと消し、柔らかい光が当たる部分は軽く消すか、後からトーンを入れてグラデーションを作ります。
  • 影の位置を確認 : 光源の位置を考慮し、空きビンに落ちている影の位置を確認します。影の濃淡を調整し、立体感を強調します。

最終仕上げのポイント

 最後に、全体のバランスを見ながら最終仕上げを行います。

  • 全体を見直す : 描き上がった空きビン全体を見て、バランスやディテール(詳細)に不自然な点がないかを確認します。
  • 微調整 : 必要に応じて、細かい部分を微調整します。鉛筆や練り消しゴムを使って、細部を仕上げていきます。

 これらのポイントを押さえることで、空きビンのディテールをリアルかつ美しく仕上げることができます。ディテールにこだわり、納得のいく作品を完成させましょう。

鉛筆画における光と影のバランスの取り方

             ウイスキー用デキャンタの画像です

 鉛筆画でリアルな表現を追求するためには、光と影のバランスを正確に取ることが不可欠です。このバランスを適切に捉えることで、作品に深みと立体感を加えることができます。

 本章では、鉛筆画における光と影のバランスの取り方について、具体的なテクニックを解説します。

光源の確認

 まず最初に確認すべきは、光源の位置です。光源の位置によって、影の方向や強さが変わります。

  • 光源の位置を確認する : 光がどこから来ているかを明確にします。光源が左上にある場合、影は右下に伸びることになります。光源をしっかり確認することで、作品全体のバランスが取りやすくなります。
  • 複数の光源の存在を確認 : 一つの光源だけでなく、複数の光源による陰影がある場合には、より複雑でリアルな陰影を描くことができます。

光の表現

 光を効果的に表現するためのポイントを押さえましょう。

  • ハイライトを入れる : 光が最も強く当たっている部分にハイライトを入れることで、輝きを表現します。これは練り消しゴムを使って描きます。
  • 反射光を描く : モチーフに直接当たっている光以外にも、周囲の物体からの反射光を描き込むことで、より自然な光の表現が可能になります。

 尚、一番光っている部分を引き立てるためには、それほど強く光っていない部分には、2Hなどの鉛筆で、淡いトーンを乗せることで、ハイライトがより引き立ちます。

影の描き方

 影の描き方にも工夫が必要です。影は物体の形状や光源の位置によって変化します。

  • 影の濃淡を調整 : 影の部分は鉛筆を使って濃淡を調整します。濃い影と薄い影を使い分けることで、立体感が生まれます。
  • 境界線をぼかす : 光と影の境界線をぼかすことで、より自然な陰影が描けます。これは、鉛筆のぼかし技法や、ティッシュペーパーや指を使ったり、あるいは専用の擦筆(さっぴつ)や綿棒でぼかして自然なグラデーション(階調)が作れます。

 尚、影の描写は重要なことではありますが、ガラスに限らず、モチーフと床の接地面が一番濃い色であることを記憶しておきましょう。しっかりと接地させてあげないと、「不安定」な印象に仕上がってしまうので注意が必要です。

中間調の重要性

 光と影だけでなく、中間調の表現も重要です。中間調がしっかり描かれていると、作品に深みが出ます。

  • グラデーションを作る : 光から影へのグラデーション(階調)を滑らかに描くことで、中間調が生まれます。これは鉛筆の筆圧を調整することで実現できます。
  • 全体のバランスを見る : 中間調を入れることで、光と影のバランスを全体で見直し、調整します。

最終調整と仕上げ

第1回個展出品作品 家族の肖像 1997 F10 鉛筆画 中山眞治

 全体のバランスを見ながら、最終的な調整を行います。

  • 細部の確認 : 細かい部分までしっかりと確認し、光と影のバランスが取れているかをチェックします。
  • 微調整 : 必要に応じて鉛筆や練り消しゴムを使って、微調整を行います。これにより、全体の統一感が出ます。

 光と影のバランスを正しく取ることで、鉛筆デッサンや鉛筆画にリアルな深みと立体感が生まれます。これらのテクニックを活用して、より高度な鉛筆デッサンや鉛筆画を目指しましょう。

 最終的な仕上げにおいて、一番重要なことは、空きビンを含めたガラス製品全般に言えることですが、ガラスには、特に濃い「ピシッ」としたトーンが入っている個所がありますので、そこの描写をしっかり大胆に濃く描き込むことです。上の作品を観てください。

 そして、「光を描いた」その背景や隣接部に濃いトーンを入れなければ、光っているところを適切に表現できません。さらに、仕上げの段階では、改めて「練り消しゴム」で、丹念に拭き取ることを忘れないようにしましょう。

 また、仕上の最後では、モチーフの今まで一番濃い色として扱ってきたところを、さらに濃く描き、モチーフと床との接地面に改めて濃いトーンを入れましょう。

まとめ

        家族の肖像 2022 F4 鉛筆画 中山眞治

 鉛筆画や鉛筆デッサンで空きビンをリアルに描くためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。ここでは、これまでの内容を踏まえて、空きビンの鉛筆画やデッサンにおける効果的な手法をまとめます。

準備とツール選び

  • 鉛筆セット : 2Hから4Bまでのさまざまな硬さの鉛筆を揃える。
  • 練り消しゴム : 光の表現に必須。
  • スケッチブックやデッサン用紙 : 質の良いスケッチブックや紙を選ぶ。
  • 鉛筆削り : 鉛筆を常に鋭く保つ。
  • 定規 : 正確な直線を描くために使用することもある。

空きビンの形を正確に描く

  • 正確な輪郭 : 空きビンの輪郭を丁寧にスケッチ。
  • 左右対称 : モチーフの形状が左右対象かどうかを注意深く確認する。

ハッチング技法で下地を作る

  • クロスハッチング : 縦横斜めの4種類の、異なる角度から線を重ねて複雑な陰影を表現。
  • グラデーション : 自然なグラデーションを作るために、HBなどの薄めの鉛筆でモチーフ全体にトーンの面を作る。

練り消しゴムで光を表現

  • 形を整える : 練り消しゴムを必要な形に整える。
  • 軽く拭き取る : 光の部分を軽く消し、自然な明るさを表現。
  • 反射光 : 空きビンの透明感を高めるために、複数の反射光を描き込む。

ディテールを仕上げる

  • 模様やテクスチャー : 空きビンの細部を鋭い鉛筆で描き込む。
  • 口回りの部分 : 空きビンの口回りの部分をしっかりと描き込む。
  • 光と影のバランス : 光源を確認して、光の強弱と影の濃淡を調整する。

光と影のバランスを取る

  • 光源の確認 : 光源の位置を確認し、影の方向と長さを決定。
  • ハイライトと反射光 : 練り消しゴムでハイライトを入れ、反射光を描き込む。
  • 影の濃淡 : 影の部分を濃淡で表現し、境界線をぼかすことで自然な陰影を描く。
  • 中間調 : 光から影へのグラデーションを滑らかに描く。

最終仕上げ

  • 全体のバランスを確認 : 光と影のバランスが取れているかをチェック。
  • 微調整 : 細かい部分を微調整し、全体の統一感を出す。

 これらのポイントを踏まえ、鉛筆画やデッサンで空きビンを描く際の光と影のバランスを正確に取り、リアルで美しい作品を完成させましょう。

 尚、ガラス製品特有の内側にできる反射や濃い影の特性を活かして、さまざまな静物画の制作に活かせることを記憶しておきましょう。上の画像のように、ビンの特性と空きびんによる「空虚さ」を表現することもできます。

 ではまた!あなたの未来を応援しています。

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