鉛筆画・デッサンの失敗と修整法:基礎から学ぶアートのコツ

デッサン

 どうも。私は、プロ鉛筆画家の中山眞治です。

 さて、鉛筆画や鉛筆デッサンにおける失敗は、画家として成功するための重要な一部分です。この記事では、初心者からプロまでのアーティストが直面する一般的な鉛筆画や鉛筆デッサンの失敗例と、それらを効果的に修整するための方法を解説します。

 比例の誤り、陰影の問題、形状の不正確さなど、さまざまな課題を克服し、あなたのアート作品を次のレベルへと引き上げるためのヒントやテクニックを紹介します。

 尚、鉛筆画や鉛筆デッサンとは、3Dの立体を2Dの平面へ落とし込むことを指しますので、形状の正確な捉え方と陰影の施し方は、最も重要なポイントです。

 それでは、早速見ていきましょう!

  1. 鉛筆画や鉛筆デッサンでよくある失敗例とは?
    1. 比例のミス
    2. 陰影の不均衡
    3. 線の使い過ぎ
    4. 細部への過剰な焦点
  2. 比例の誤りを修整する方法
    1. 基本的な比例の原則
    2. グリッド(格子・方眼)を使った比例の調整
    3. 視点と透視法の理解
    4. 繰り返しの練習と比較
  3. 陰影の問題:明るさと暗さのバランス
    1. 陰影による立体感の表現
    2. 光源の観察と影の描写
    3. トーンの段階的な変化
    4. 実践的な練習法
  4. 形状の正確さを高めるテクニック
    1. 視覚的測定の活用
    2. 基本形状からの構築
    3. グリッド(格子・方眼)法の使用
    4. 正確な縮尺を施したエスキースの活用
    5. 繰り返しの練習と修正
    6. 鉛筆画や鉛筆デッサン克服の最後の手段
      1. 左右対称の線を得る方法
      2. 困ったときの道具の使い方
  5. 鉛筆画や鉛筆デッサンの基礎:線の使い方をマスターする
    1. 線の強弱で表現を豊かに
    2. 線の流れと方向性
    3. 重複と重なりの技法
    4. 線の種類と用途の理解
  6. アーティストのための練習法とアドバイス
    1. 毎日の練習の重要性
    2. 多様な被写体とスタイルの試み
    3. 批評や改善点の指摘を活用
    4. 創造性と実験的なアプローチ
  7. 鉛筆画や鉛筆デッサンの失敗から学ぶ重要な教訓
    1. 失敗は成長の一部
    2. 比例と構成の誤りの克服
    3. 陰影と質感の理解の深化
    4. 持続的な学びと改善の姿勢
  8. 創造的な表現:自身のスタイルを見つける
    1. 多様な技法と媒体の探索
    2. 個人的な感情と記憶の表現
    3. 伝統的なルールからの逸脱
    4. 他のアーティストの作品を観察する重要性と独自性
  9. まとめ

鉛筆画や鉛筆デッサンでよくある失敗例とは?

比例のミス

 鉛筆画や鉛筆デッサンの基本となるのは比例です。多くのアーティストが初期段階で犯しやすい失敗が、モチーフの比例を不正確に描いてしまうことです。

 この問題を避けるには、対象となるモチーフや画面全体を意識して、個々の要素が全体とどのように関連しているかを考慮することが重要です。つまり、比例配分です。

 人物を描く場合で言えば、実物よりも手や足が短くなったり長くなったり、あるいは、顔が小さくなったり大きくなったり、首が短くなったり長くなったり、顔のパーツが福笑いになってしまうようなことに注意が必要です。

陰影の不均衡

 もう一つの一般的な問題は、陰影の不均衡です。適切な光と影のバランスは、鉛筆画や鉛筆デッサンに深みと写実性をもたらします。陰影を自然に見せるには、光源の位置と強度を理解して、それに応じて影を描く必要があります。

線の使い過ぎ

 多くの初心者は、線を使い過ぎる傾向があります。しかし、実際には、線はモチーフの形状を示すための一つの手段に過ぎません。線の代わりに陰影を使って形を表現することで、よりリアルな鉛筆画や鉛筆デッサンが可能になります。

細部への過剰な焦点

 細部に焦点を当て過ぎることも一般的な間違いです。鉛筆画や鉛筆デッサンの初期段階では、全体の大まかな輪郭に集中し、細部は後から加えるべきであり、全体のバランスを見失わないようにすることが重要です。

 あなたの描こうとしているモチーフ全体の輪郭を、画面上に正しく収めることを考えて進んでいきましょう。細かな部分を細密に描くことは、制作の中盤以降の手順です。

 尚、あなたが描く対象の、主役以外を細密に描いてしまうと、観てくださる人の視線をその部分に集めてしまうので、逆に、あなたの目立たせたい部分を強調するために、細かな模様などのある部分は省略することも必要だということです。

 これらの失敗を避けることで、あなたの鉛筆画や鉛筆デッサン技術は大きく向上し、よりバランスの取れた、リアルな作品を生み出すことができるようになります。

比例の誤りを修整する方法

出典画像:東京武蔵野美術学院・監修 鉛筆デッサン 三澤寛志 氏

基本的な比例の原則

 鉛筆画や鉛筆デッサンにおける比例の正確さは、作品の写実性と調和に不可欠です。初心者はしばしば、モチーフにおけるサイズや距離の比率を間違えることがあります。

 比例を正しく把握する最初のステップは、視覚的な測定を行うことです。これは、鉛筆や棒を使用して、目の前の対象の相対的なサイズを測定することを意味します。

出典:鉛筆で比率を測る | 美大・芸大受験の基礎 (etude-atelier.info)

グリッド(格子・方眼)を使った比例の調整

 グリッドを使用することは、比例の誤りを修正する効果的な方法です。グリッドは、画面を小さな部分に分割し、各部分内のモチーフの位置とサイズを正確に把握するのに役立ちます。これにより、全体的な各要素の比率が保たれます。

グリッド線を引くメリット

写真やイラストを模写する際には、輪郭線の角度・長さ・対比を正確に描き写す力が重要です。垂直・水平方向に等間隔に並んでいるグリッド線を引いておくことで、モチーフの輪郭線の角度・長さ・対比が割り出しやすいというメリットがあります。

模写に慣れていない人は、モチーフの輪郭線とグリッド線を照らし合わせながら進めていくと良いと思います。

出典:模写用のグリッド線が引けるアプリを紹介!補助線を参考にしよう|お絵かき図鑑 (oekaki-zukan.com)

視点と透視法の理解

 透視法の原則を理解することも、比例の誤りを修正する上で重要です。遠近法を適切に描くことで、空間の奥行きとモチーフとの関係が正確に表現できます。

 一点透視法や二点透視法など、異なる透視法を学ぶことで、よりリアルなデッサンが可能になります。

出典:【パース入門講座】遠近感のある絵が描きたい!【透視図法】 | イラスト・マンガ描き方ナビ (clipstudio.net)

繰り返しの練習と比較

 そして、繰り返しの練習は不可欠です。以前の作品と新しい作品を比較することで、進歩を視覚化し、比例に関する理解を深めることができます。

 また、他のアーティストの作品を分析することで、異なる比例の取り扱い方を学ぶこともできます。これらのテクニックを駆使することで、比例の誤りを効果的に修整して、鉛筆画や鉛筆デッサンスキルを向上させることが可能になります。

陰影の問題:明るさと暗さのバランス

      第2回個展出品作品 ランプのある静物 2000 F50 鉛筆画 中山眞治

陰影による立体感の表現

 陰影は、鉛筆画や鉛筆デッサンにおいて立体感を出すために不可欠です。適切な光と影のバランスを理解することで、作品に深みと写実性をもたらすことができます。

 重要なのは、光源の方向と強度を把握して、それに応じて対象の明るい部分と暗い部分を描くことです。

 尚、明るいモチーフの背景に、濃いトーンを入れることで、モチーフが前面に出てくる効果を強められます。上の作品の石膏像は、その効果を使っています。また、光を受けた石膏像の反射をランプに入れることで、写実性を強調できます。

光源の観察と影の描写

 光源の位置を正確に観察することは、陰影を適切に描くための基本です。光が当たる角度によって、影は異なる形や大きさになります。

 また、影は単なる暗いエリアではなく、その影の中にもさまざまなトーンや細かな細部が存在します。影の中の暗部や闇の中の影とでも言いましょうか、観察をする部分はたくさんあります。

トーンの段階的な変化

 鉛筆画や鉛筆デッサンにおける陰影は、単純な黒と白ではなく、グレースケール(※)のさまざまなトーンで表現されるべきです。

 異なるトーンの段階的な変化を理解し、それを自然にブレンドすることで、よりリアルな陰影が得られます。このプロセスは、作品に奥行きと質感を与えます。

※ グレースケールとは、白と黒の中間色であるグレーの濃淡(グラデーション )を、254階調で表したものです。

実践的な練習法

               引用元:アートラボゼロプラス

 陰影をマスターするには、実践が重要です。簡単な形状から始めて、徐々に複雑なモチーフに挑戦してみましょう。また、異なる照明条件下でのスケッチを試みることで、光と影の表現スキルを高めることができます。

 そして、陰影のバランスを正しく捉えることは、デッサンのスキルを次のレベルに引き上げるための鍵です。これらのテクニックを駆使して、よりリアルで表現力豊かな作品を描きましょう。

 尚、制作を進める場合に、窓際で太陽の明かりを頼りにして描く際には、太陽の動きで影も変化します。安定的な影を描きたい場合には、カーテンを閉めて固定された室内の照明を使って描くほうが良いでしょう。

形状の正確さを高めるテクニック

        第1回個展出品作品 休日 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

視覚的測定の活用

 形状の正確性を向上させる最初のステップは、視覚的測定を活用することです。これは、モチーフの大きさや角度を目で測り、それを紙上に再現する技術です。

 鉛筆やペンを使用して、モチーフと比較しながら、その寸法を鉛筆画や鉛筆デッサンに反映させましょう。

基本形状からの構築

 複雑な形状を描く際には、基本的な幾何形状から始めることが有効です。円、四角、三角などのシンプルな形からスタートし、徐々に詳細を加えていくことで、より正確な形状を作り出すことができます。

 下の画像で言えば、人の腕や足などは「円筒形」からのざっくりとした鉛筆画や鉛筆デッサンから描き始め、胴体でも一番下のイラストにあるような、若干中央部が盛り上がった平板な厚手の板のような形で捉えてから、徐々に細密に仕上げていくということです。

 尚、人の顔は楕円の形から描き始め、目・鼻・口の位置をざっくりとした縦横の線で位置決めから始めます。しかし、動物の顔を描く場合には、輪郭を描いた後は「目」を先に描き込むことで、全体のバランスを取りやすくなります。

出典画像:東京武蔵野美術学院・監修 鉛筆デッサン 三澤寛志 氏

グリッド(格子・方眼)法の使用

 グリッド法は、形状の比例と配置を正確にするのに役立ちます。紙の上にグリッドを描き、それをガイドとして使用することで、各部分の位置関係を容易に把握できて、モチーフを正確に描くことができます。

正確な縮尺を施したエスキースの活用

 あなたが仮に、F10のサイズのスケッチブックで本制作をするのであれば、例えばA4サイズの紙を用意して半分に切り、F10サイズの正確な縮尺を施した下絵を作ります。

 それによって、その下絵の中の主要なモチーフの位置は、正確な縮尺の逆使いで、F10の画面上に正確な位置を求めることができます。詳細は次の関連記事を参照してください。

関連記事:鉛筆画・デッサンで初心者から中級者必見!複合した構図で心象風景を描く方法Ⅱ

繰り返しの練習と修正

 形状の正確さを高めるためには、繰り返しの練習が必要です。一度描いたものを何度も見直し、必要な修正を加えることで、徐々に精度を高められます。また、他のアーティストの作品を参考にすることも、視覚的認識の向上に役立ちます。

 これらのテクニックを駆使することで、形状の正確性を高め、よりリアルな鉛筆画や鉛筆デッサンを描くことが可能になります。正確な形状表現は、作品全体のクオリティを向上させる鍵です。

鉛筆画や鉛筆デッサン克服の最後の手段

左右対称の線を得る方法

 この話はあまりしたくないのですが、あなたが仮に鉛筆画を仕上げる際に、描いているボトルなどの左右の曲線が、どうしても左右対称にならなくて、前に進んでいけないというような局面だったとします。

 このような場合には、その描こうとしているボトルの縦に中心線を薄く描き込みましょう。そして、うまく描けている側の線を中心線から測って、うまく描けない側へ点を優しく打ちましょう。

 この方法で、上から下へ少しづつずらしながら点を打ち込んでいき、後からその線をつなげれば、左右対称の線を得られます。上の作品のサイフォンやボトルでも部分的に行っています。

困ったときの道具の使い方

 そして、上の作品では月もコンパスで描いています。このように、あなたが使いたいと思う道具は、コンパスであろうが、定規であろうが、分度器であろうが、何でも自由に使いましょう。

 直線や曲線は、あなたが制作を続けていけば描けるようになれます。あなたが楽しんで制作できることが一番重要なのです。

 尚、左右対称の点を打つときは、繰り返しになりますが、2Bなどの鉛筆で優しく点を打ちましょう。また、コンパスを使う際には、針をできるだけ浅く刺して円を描きましょう。針の穴はなかなか修整が難しいからです。

 また、絵画教室では、道具を使うことを嫌う先生が多いので、道具を使うのは、あくまでも自宅でということにしましょう。

鉛筆画や鉛筆デッサンの基礎:線の使い方をマスターする

出典画像:東京武蔵野美術学院・監修 鉛筆デッサン 大寺聡 氏

線の強弱で表現を豊かに

 鉛筆画や鉛筆デッサンでは、線の強弱が非常に重要です。細い線は繊細な質感や遠くの対象を示し、太い線は強調や近くの対象に使われます。線の強弱を変えることで、作品に深みと動きを加えることができます。

線の流れと方向性

 線の流れは、対象の形状や動きを表現するのに役立ちます。流れるような線は柔らかさや動きを示し、直線的な線は硬さや静止を表せます。モチーフの特性を考慮しながら線を使うことが重要です。

重複と重なりの技法

 線を重ねることで、陰影や質感を表現できます。特に、異なる方向や長さの線を重ね合わせることで、リアルな質感や深みを作り出すことが可能になります。この技法は、写実性を追求する際に特に効果的です。上の画像を参照してください。

線の種類と用途の理解

 異なる線の種類を理解し、それぞれの用途を把握することも重要です。例えば、点線は軽やかさや透明感を、波線は動きや流動性を表現するのに適しています。線の種類によって、異なる感情や状態を効果的に描き出せます。

 線の使い方をマスターすることは、鉛筆画や鉛筆デッサンの基本であり、作品に命を吹き込む鍵となります。これらのテクニックを練習し、あなただけのスタイルを見つけてください。

アーティストのための練習法とアドバイス

毎日の練習の重要性

 アーティストにとって、毎日の練習は技術向上の鍵です。短時間でも良いので、毎日一定の時間をデッサンに費やすことが大切です。日々の練習を通じて、自身の技術に磨きをかけ、創造性を高めることができます。

多様な被写体とスタイルの試み

 さまざまな被写体や、スタイルでの描画を試みることは、柔軟性と幅広い技術を身につけることに役立ちます。

 風景、心象風景、人物、静物、動物など、異なる被写体を描くことで、視点と技術が豊かになります。また、異なるスタイルを試すことで、自分だけの表現を見つけることができます。

批評や改善点の指摘を活用

 他のアーティストや、指導者からの批評や改善点の指摘を積極的に求め、それを自身の作品に反映させることも成長につながります。

 客観的な意見を受け入れることで、自身では気づかない改善点を発見できて、スキルを向上させられることにつながります。

創造性と実験的なアプローチ

 アートは創造的な表現手法です。既存のルールや慣習にとらわれず、新しい技法やアイデアを試すことで、オリジナルの作品が生まれます。

 実験的なアプローチを取り入れることで、自分だけのアートスタイルを発展させることが可能になります。

 これらの練習法とアドバイスを実践することで、アーティストとしてのスキルを高め、自己表現の幅を広げることができます。常に学び、成長し続けることが、アーティストとしての成功への道です。

鉛筆画や鉛筆デッサンの失敗から学ぶ重要な教訓

失敗は成長の一部

 鉛筆画や鉛筆デッサンにおける失敗は、成長過程の自然な一部です。失敗を恐れずに挑戦することで、技術や創造性を発展させることができます。失敗から得られる教訓を受け入れ、それを次回の作品に活かすことが重要なのです。

比例と構成の誤りの克服

出典画像:東京武蔵野美術学院・監修 鉛筆デッサン 三澤寛志 氏

 比例の誤りや不均衡な構成は、よくある失敗です。これらの失敗から学ぶことで、よりバランスの取れた作品を描けるようになります。視覚的な測定を行い、練習を重ねることで、比例感覚を磨きましょう。

陰影と質感の理解の深化

 陰影を誤って描くことは、写実性の欠如につながります。陰影の失敗から学ぶことで、光と影の関係、物体の質感をより深く理解することができます。実際の物体を観察して、さまざまな照明条件下で練習することも大切です。

持続的な学びと改善の姿勢

 鉛筆画や鉛筆デッサンの失敗は、学びの機会を提供してくれます。常に新しい技術や方法を学び、自己改善に努めることがアーティストとして成長するためには不可欠です。他のアーティストの作品を分析することも、新たな視点を得るのに役立ちます。

 鉛筆画や鉛筆デッサンの失敗から学ぶ教訓は、アーティストとしての道を進む上で貴重なガイドとなります。失敗を恐れず、経験を積むことで、あなたのアートはより豊かなものになります。

創造的な表現:自身のスタイルを見つける

        国画会展 会友賞 誕生2013-Ⅱ F130 鉛筆画 中山眞治

多様な技法と媒体の探索

 自分だけのスタイルを発見するためには、さまざまな技法と媒体を試すことが重要です。

 鉛筆、ボールペン、インク、チャコール(木炭)など、異なる媒体を用いて実験することで、どのスタイルが最も自分に合っているかを見極めることができます。

個人的な感情と記憶の表現

 アートは個人的な感情や記憶の表現です。自身の感じること、経験したことを鉛筆画や鉛筆デッサンに反映させることで、独自のスタイルが形成されます。自身の内面を探求し、それを表現することが創造的な発展にもつながります。

伝統的なルールからの逸脱

 創造性を発展させるには、伝統的なルールや慣習から逸脱することが時には必要です。既存の技法やスタイルにとらわれず、新しいアイデアやアプローチを試してみることで、ユニークな芸術作品を生み出すことにつながることもあります。 

他のアーティストの作品を観察する重要性と独自性

 時間があれば、是非、展覧会及び公募展や美術館などへ行き、過去の著名な作家の作品を含めて、画面の中の各種モチーフのデッサン・構図・光と影のバランス・際立った創作手法の確認・全体のレイアウトなどを確認しましょう。

 そして、主役・準主役の確認と、その強調方法も観察すべきですし、その強調方法に脇役が、どのような形で関連しているのかも見ておきましょう。

 尚、それをそっくり真似するということではなく、あなたの感性に響いた部分を、あなた流のモチーフとレイアウトに変換して、全体を再構成することが重要なのです。それがやがて、「あなた独自のテーマや画風」にたどり着けるはずです。

 創造的な表現は、自身のスタイルを見つける旅です。異なる技法を試して、個人的な感情を表現し伝統から逸脱することで、独自の芸術的な価値と他者に認められるスキルを築くことができます。

まとめ

      青木繁記念大賞展 奨励賞 郷愁 2001 F100 鉛筆画 中山眞治 

 アートの世界で成功するためには、鉛筆画や鉛筆デッサンの基礎をしっかりと理解し、自己のスタイルを発見することが不可欠です。

 鉛筆画や鉛筆デッサンの一般的な失敗から重要な教訓を学び、比例の誤りを修正し、陰影の問題を解決する方法をマスターすることが、作品のクオリティを高める鍵です。

 失敗は成長の一部であり、練習を通じて比例感覚を磨き、陰影による立体感を表現する技術を高めることが重要です。

 さらに、形状の正確さを高めるためには、視覚的測定やグリッド法を使用し、繰り返しの練習と修正によって技術を向上させることが効果的です。

 そして、鉛筆画や鉛筆デッサンにおいては、線の使い方をマスターすることが不可欠で、線の強弱、流れ、重複といった要素が作品に深みを与えます。アーティストとして成長するためには、多様な被写体とスタイルでの練習が重要です。

 また、日々の練習を通じて自身の技術に磨きをかけるとともに、他のアーティストや指導者からの批評や改善の指摘も活用し、創造性と実験的なアプローチを取り入れることで、独自の芸術的な価値を築き上げることができます。

 さらに、自己のスタイルを見つける旅は、異なる技法を試し、個人的な感情を表現し、時には伝統から逸脱することで、独自の表現を築くことにもつながります。

 一方では、他者作品からの着想やひらめきを自身の作品の表現に融合させ、独創性のあるスタイルを確立することが、アーティストとしての成功につながります。

 このように、鉛筆画や鉛筆デッサンの基本から応用技法までを網羅し、自己のスタイルを発見することで、アートの世界での成功が見込めるでしょう。

 尚、あなたが展覧会や公募展へ出品を希望する際には、ただモチーフを上手に描けるだけでは入選できません。

 それは、あなたの制作する画面全体を使って、作品全体を魅力的な構成にする必要があるのです。その内容について興味のある人は、次の関連記事も参照してください。

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 ではまた!あなたの未来を応援しています

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