鉛筆画・デッサン初心者〜中級者必見!簡単に上達するためのベストツール一覧

鉛筆画の道具

 どうも。鉛筆画家の中山眞治です。今年はいろんなことがあり過ぎて、つくづく生活しにくさを感じますが、今度は「渇水」に苦しめられそうな気配です。元気でお過ごしでしょうか。^^

 ところで、今回の記事では、鉛筆画・デッサン初心者~中級者必見!簡単に上達するためのベストツール一覧という記事で、簡単に上達するためのベストツールをご紹介します。

 鉛筆の選び方から、消しゴムの使用方法、さらにはスケッチブックの選択など、初心者にとって疑問点となる項目を一つ一つ解説します。これらのツールを適切に使用することで、あなたのデッサンのスキルは急速に向上するでしょう。

 鉛筆画が初めての方でも、必要な道具を揃えることで、短期間での上達が可能です。中級者の方にとっても、さらなる上達のためのヒントが満載です。鉛筆画・デッサンのテクニックを学び、美しい作品を生み出すための第一歩を、ぜひこの記事で踏み出してください。

 あなたのアートスキルを新たな次元に引き上げ、素晴らしい作品を描く手助けをするための情報が詰まっています。

 それでは、早速見ていきましょう!

画材


                 野菜 1995 F10

鉛筆

鉛筆の種類


            私の使っている鉛筆類 100円ショップで購入した書類入れを使っています

 最初に揃えるべき鉛筆の種類では、鉛筆の硬軟の特徴からご説明します。

 どの鉛筆でも良いのですが、スッテドラー・三菱ユニ・ファーバーカステル・トンボなど1本170円~200円くらいです(スッテドラーの場合)。私の場合は、9H~9Bまではステッドラーやファーバーカステル、10Hと10Bは三菱ユニを使っています。

 ステッドラーは、比較的「カリカリ」とした描き味です。三菱ユニとファーバーカステルは、「しっとりとした」描き味で画面上にも乗りが良いです。私はステッドラーを主体に取り組みを始めましたので、そのままかれこれ29年間も使っています。

 また、最初の内は、2H・H・HB・B・2B・3B・4Bくらいあれば充分です。鉛筆画をやってみて、続けられるようでしたらば、徐々に増やしていけばよいのではないでしょうか。尚、鉛筆ホルダーも2~3本用意しておけば、鉛筆が短くなるまで使い切ることができます。

鉛筆の削り方

 私の場合には、鉛筆削りで削れなくなった時に、鉛筆ホルダーに接続して、100円ショップで購入してきた「果物ナイフ」で削っています。削り方は、細かく言えば色々ありますが、最初はあまり細かいことは気にしないでください。

 あなたが、鉛筆画を描くことに慣れて来ましたら、モチーフに沿った背景へトーンを入れていくときには、鋭く削った状態で描き込んだり、削らなくても大雑把な線が効果的な場合もあります。削り方は、鉛筆画を描いていくうちに解ってきます。

 尚、ナイフで鉛筆を削る場合には芯が長くなりがちになりますが、それは同時に折れやすくもなりますので、長くし過ぎるのはあまりよろしくありません。 

鉛筆ホルダー


鉛筆ホルダーが2~3本あると短くなった鉛筆を最後まで使いきれます 

 写真の鉛筆ホルダーは29年使っていますが、使用頻度が多いにもかかわらず長持ちしています。私は全部で5本持っていますが、あなたも使う気になった場合には、2~3本あれば充分でしょう。

消しゴム

 鉛筆画で使う消しゴムは、主体は「練り消しゴム」です。上記の「私の使っている鉛筆類」の鉛筆の上の4つのかたまりがそうです。

 1つ200~300円くらいで、最初は1個あれば充分です(上記の鉛筆の画像の中で、鉛筆の上にある4つの塊がそうです)。練り消しゴムは、幅広い先端にして画面を拭き取ったり、細くマイナスドラーバーのような形状にして使うことになります。

 特に「ハイライト(一番明るいところ)」を仕上げの際に、より白くするときに重宝します。指で練って先端を鋭くした状態で使用できますのでとても使いやすく、消しカスが出ませんので取り扱いしやすいのです。

 私が、なぜ4つの練消しゴムを使っているのかというと、古い練消しゴムは使っていくうちに鉛筆を吸収して色が黒くなっていくので、作品のハイライトに使う練消しゴムは、一番新しいものを使っています。一番古い練消しゴムは、幅広くたくさん消す必要があるときに用いています。

 また、力を入れて消すような際には、「普通のプラスチック消しゴム」を使うこともありますし、形状が鉛筆のようなアメリカ製のGRAPHICS DIVISION MULTILITH ERASER 40-2547も使っています。

 この消しゴムは、画面に食い込んだ鉛筆痕も消すことができます。

擦筆

 擦筆とは、描き込んだ鉛筆を上からこすり、ぼかし効果を得る道具です。しかし、私は「画面が汚れる」ので使わないようにしています。尚、ぼかし効果が必要な場合には、ティッシュペーパーでこすって代用することもできます。

定規(30cm、1m)


                   1mの定規

 絵画教室では指導しないでしょうが、直線が必要な場合には定規を使ってしまいましょう。また、これは、どこの絵画教室でも教えないでしょうが、例えば、デッサンをしてみて、どうしてもうまく描けない場合があります。

 具体的には、例えば、ウイスキーのボトルをあなたが描いたとします。しかし、左側の輪郭線と右側の輪郭線が左右対称にならずに、何度やってもうまくいかない場合もあるでしょう。

 そのような場合には、そのボトルのデッサンへ縦に中心線を引き、うまくかけた輪郭を活かすようにして、中心線からうまくかけた輪郭線との距離を測り、うまくかけていない側の輪郭線へ測った距離の「点」を薄く打ちます。

 これを上から下まで行うと、左右対称な点が打てますので、あとはそれを結ぶだけです。ここで気を付けないといけないことは、強く点を打ってしまうと、なかなか後から練り消しゴムを使っても消えないばかりか、画面がへこんでしまうので注意しましょう。

 尚、これをやるときには、自宅で行いましょう。絵画教室で平然とこの作業を行うと、絵画教室の先生からダメ出しをされてしまうからです。これを気にかけずにおこなっていて、ふと振り返ったらそこに「真っ赤な顔」をした先生が立っていたら怖いですよね。^^

分度器

 分度器は、描き込んだモチーフの線に沿った線を描き込む場合に使っています。本来は、あまり絵画教室などでは勧めていないでしょうが、私の場合には「なんでもあり」です。必要になる線を入れるためには何でも使いましょう。これも自宅でやりましょう。

コンパス

 これも、絵画教室の先生が聞いたら「顔を真っ赤」にして怒るでしょうが、自宅で球体を描くときには、コンパスを使ってしまいましょう。球体を完全に表現できるまでには時間がかかり無駄です。このような球体のデッサンは、描いていくうちにうまくなります。^^ 

 私は、F130号に引く「円」のために、手持ちの「コンパス」では小さくて使えないので、「鍋の底や洗面器」を使って「円」を描き込んだこともあります。

 尚、コンパスを使うときの注意点は、中心部分になる「画面に刺さる分部」にはできるだけ、刺さる穴が小さく浅くなるように気を付けてください。この画面に空いた穴は、いつまでも目立つことがあるからです。

 そして、F100に円形の地平線を引いた時には、鉛筆をL字型の木材に固定して、ビニールひもで中心点を固定し、コンパスの要領で地平線を描いたこともあります(下記の作品がそうです)。


                     国展 入選作品 誕生シリーズ F100

イーゼルとイス


           私の使っているイーゼルです

 絵画制作の最初は、絵画教室のイーゼルとイスを使うことになります。上記写真は、私が自宅でF30までの大きさの作品を制作する際に使用しているイーゼルです。


私の現在使っているイスです ホームセンターなどで安く販売しています

 あなたの家の近くや、通勤途中に絵画教室はありませんか?絵画教室へ行けば、当然イーゼル及びイスやモチーフがあります。私がこまごまと記事に書いてみても、伝えきれないことがたくさんありますので、絵画教室の先生に直接教えてもらいましょう。

 あなたが自宅でも描く場合には、あなたの自宅にあるイスの高さに合わせてスケッチブックを置くポジションを決めるとよいでしょう。机とイスがあれば、従来使っている机の上にスケッチブックを立てかけられるように、段ボール箱などを上手に使って設置しましょう。

 しかし、なぜ段ボール箱などの話をするのかと言いますと、続けていけるかどうかわからないときには、極力出費を避けて取り組むことが無難だからです。買えば2万円以内のものですが、できるだけ続けていく決心ができた時に購入しましょう。

 そして、もしも、小型のイーゼルを購入した場合には、比較的背が低い(上部画像のイーゼルの全高は900mmです)ので、その高さに合わせてあなたの自宅の「風呂イスや雑誌を積み上げて代用」(上部画像のイスは全高200mmです)してもよいのです。

鉛筆の使い方


        灯の点る窓辺の静物制作中画像 トーンを入れ始めた状態

 鉛筆画のトーンの入れ方は、基本的に「クロスハッチング」でおこないます。これは何も難しいことではありません。例えば①右上から左下へ引く線②左上から右下に引く線③ヨコに引いていく線④縦に引いていく線、この4種類の線を基本とします。これをクロスハッチングと言います。

 縦の線が引きにくい場合には、スケッチブックの向きを変えれば問題なく引けるはずです。鉛筆画の場合には、この4種類の線を丹念に繰り返し入れていくことで、画面上に透明感さえ生まれてきます。ただし、丹念に行う必要があるので根気と体力が必要になります。

 また、強く描き込みすぎると、画面を痛めますので力任せにクロスハッチングせずに、落ち着いて淡々と根気よく一定の筆圧で4種類の方法でトーンを入れていきましょう。

筆勢と筆圧

筆勢

 素早く引いた線を筆勢のある線と言います。表面が滑らかで平らな対象は、筆勢がないと、うまく表現できません。また、動きやスピード感を表す場合、筆勢のある線を使うと効果的です。


   出典:東京武蔵野美術学院・監修 鉛筆デッサン 筆勢がない例

    出典:東京武蔵野美術学院・監修 鉛筆デッサン 筆勢がある例

筆圧

 鉛筆の線の強弱や濃淡は、描くときに紙面にかける鉛筆の圧力の加減であらわします。通常、堅い対象は強い筆圧で描き、柔らかい対象は筆圧を弱くして描きます。鉛筆画は、筆勢と筆圧の2つを使い分けながら進めることになります。


    出典:東京武蔵野美術学院・監修 鉛筆デッサン 筆圧が弱い例

   出典:東京武蔵野美術学院・監修 鉛筆デッサン 筆圧が強い例

鉛筆画に使うスケッチブック

 鉛筆は、用紙の目(凹凸)のはっきりしている画用紙・水彩紙・木炭紙は、鉛筆の粒子を凹部と凸部の両方につけることができるので、鉛筆のグラデーションを出しやすくデッサン用として適しています。

 それとは逆に、凹凸のないようなケント紙(つるつるした紙)は、鉛筆の粒子の上に粒子を重ねることになるので、グラデーションは出しにくいですが、丹念に調子をつける細密描写に適しています。

 最初は、高価ではないF6やF10くらいのスケッチブックがよいでしょう。また、画面はケント紙などでは鉛筆が乗りにくいですが、逆に凹凸が大きいと描きにくいことにもなりますので、「中目」の粗さのスケッチブックがおすすめです。

 F6(1,000~2,000円 20枚綴り) F10(3,000~4,000円 20枚綴り)

参考:世界堂 オンラインショップ                               画材・額縁・文房具通販の世界堂オンラインショップ (sekaido.co.jp)

フィキサチーフ


画像は徳用サイズですが、携帯用の小さなものから販売されています

 鉛筆画は完成すると、定着材を噴霧する必要があります。そうでなければ、画面がこすれれて、せっかくの作品が台無しになってしまうからです。

 フィキサチーフとは、商品の記載を見ると、「木炭・コンテ専用定着液」となっています。つまり、画面がこすれると台無しになる、木炭デッサンやコンテ及び鉛筆画などの定着液として幅広く利用されている商品です。1000円前後から購入できます。

 尚、フィキサチーフはかけ過ぎると、黄ばむ・タレルなどの問題が起こる場合がありますので、噴霧の際の適切な距離・適温・適量の使用を心がけましょう。適温とは、冬場などの寒い時には、洗面器やバケツにお湯を入れて、温めて使わないと適切な噴霧を得られないからです。

まとめ

 今回の、鉛筆画を初心者が簡単に描くための各種ツールのご紹介!では、ご覧になっていただいたように、大きく費用の掛かるものはあまりありません。しいて言えば、絵画教室に通う費用くらいでしょうか。参考例では、大雑把に月に4回行って1万円くらいです。

 また、あなたが自宅でも制作する気になって、イーゼルを買い求める際には、2万円以下で購入できます。安価なものであれば、1万円以内で購入することもできるでしょう。

 鉛筆画は身近な文具から始めることができて、老若男女どなたでも、いつからでも気軽に楽しめます。尚、あなたが新たに鉛筆画に没頭できるとした場合、次のような効果が期待できます。

  • お金があまりかからない
  • 没頭できる趣味になれば、おのずと浪費が減り節約ができて投資に充てられる
  • 一人でも楽しめる
  • いつでも(何時でも)できる
  • 天候に左右されない
  • 老後に備えた節約になる
  • 全く別世界の友人が新たにできる(老若男女)
  • 異性との出逢いにも連動できる場合がある
  • 異性とのデートでも展覧会や美術館の常設展を有効に活用できる
  • 趣味からプロへの道も開ける可能性がある
  • 展覧会などで自分の作品の発表ができる
  • 画家になった場合作品を販売できる可能性がある
  • 画家になった場合作品の描き方をネットで販売できる可能性がある
  • 国内や海外旅行の目的に展覧会・美術館訪問を加えることができる
  • 年老いても続けられる

 あなたは、もしも画家になりたいのであれば、私のように高卒で過去に全く絵を描いたことがなくても、自分自身の中の埋もれている「可能性」を目覚めさせる努力さえできれば実現できます。

 逆に、美大を出たために、余計な知識が身についてしまったり、大して才能のない講師について、その講師を超えられず頭でっかちな屁理屈ばかりこねても、まったく意味などありません。

 完成度が高く、人を惹きつけ、自分自身で納得できる作品をどのように制作するかを考えることが大切です。まずは、基礎を学んだあとに自分でいろいろ試行錯誤して、思い切って展覧会にどんどん出品しましょう。

 やってみなければ解らないことはいくらでもあります。おじけづかないで、のびのびと楽しんでやっていきましょう。個展や県展・全国公募展へ出品するのは、はっきり言って最初は「ドキドキもの」ですが、大胆に行くことも人生必要です。振り返ってみると、意外に大きな壁ではありませんよ!

 尚、あなたが展覧会や公募展へ出品を希望する際には、ただモチーフを上手に描けるだけでは入選できません。それは、あなたの制作する画面全体を使って、作品全体を魅力的な構成にする必要があるのです。その内容について興味のある人は、次の関連記事を参照してください。

関連記事:鉛筆画・デッサンの魅力を最大限に引き出す!構図導入の必要性と方法とは?

 ではまた!あなたの未来を応援しています。

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