【初心者向け】鉛筆画・デッサンで狼をリアルに描く完全ガイド!

デッサン

 どうも。私は、プロ鉛筆画家の中山眞治です。

 さて、鉛筆だけでリアルな狼の姿を描き出す。そんな絵を描けたらカッコいいと思いませんか?しかし、初心者の人々は「どうやって描き始めればいいの?」や「陰影ってどうつけるの?」といった疑問を抱えていることでしょう。

 その全ての答えが、このガイドには網羅されています!鉛筆画・デッサンの基本から、狼の特徴を捉えるポイント、そしてリアルな陰影のつけ方まで、初心者の方でも分かりやすい方法で解説します。

 絵心がないと感じているあなたでも、このガイドを手に取れば狼の鉛筆画を描くことに自信を持てるようになるでしょう。あなたのアートの旅を、このガイドと共に始めてみませんか?

 それでは、早速見ていきましょう!

狼を描く前の準備:必要な道具と鉛筆の選び方

 アートの旅は、適切な道具から始まります。狼をリアルに描くためには、質の良い鉛筆と正しい画材の選び方が不可欠です。

 下記のガイドでは、鉛筆画初心者の人が描画開始前に知っておくべき、基本的な道具と鉛筆の選び方について解説します。

どの鉛筆を選ぶか?硬さと種類の違い

 鉛筆にはさまざまな硬さがあり、それぞれが異なる役割を果たします。Hシリーズの鉛筆は固く、細密な線を引くのに適しています。

 一方、Bシリーズ(例:2B, 4B)は柔らかく、濃い影を描くのに適しています。例えば、Bや2Bは、鉛筆画・デッサンの基本的な描画に最適です。

 それは、描き始めの工程では、鉛筆を人差し指・中指・親指で優しく持ち、大きな動作を伴って骨格や全体の輪郭線などを描き始める際に、画面にソフトに描画しながらも、一定の濃さで描けて、練り消しゴムで後から簡単に修正できるからです。

必須の描画道具

 描画には鉛筆だけでなく、他の道具も必要です。スケッチブックや専用の描画紙は、鉛筆の質感を最大限に引き出します。また、練り消しゴムや鉛筆削りも、細部の修正や鉛筆の削り直しに必要です。

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描画の環境を整える

 良い作品を創作するためには、快適な描画環境が欠かせません。あなたの好きな場所や、光の当たる環境を選び、集中できる時間帯に取り組むことで、より創造的な作品を生み出すことができます。

 快適な室温や湿度と、座り心地の良い椅子に足を組まずに深く腰掛けることで、長時間の制作でも疲れにくくなりますし、そして、自宅で制作する際には、あなたの落ち着ける音楽を静かに流すことも、創作意欲を高める一つの方法です。

 また、モチーフとしては、ネットで検索した画像及びスクリーンショットした画像や書籍からの引用でよいのです。本来的には実物を目の前にして描くことが一番効果的ですが、目の前に本物の狼がいたのでは落ち着きませんよね。^^

 尚、動物園に行ってスケッチするのも手段にはなりますが、スケッチブックを持って行っても、人の目もあり描きずらいですし、天候を気にしなくてはなりません。

 何よりも、狼は夜行性なので、あなたが動物園を訪れても、寝ていることが多いでしょうから、結局は上記の手段を用いることが得策です。

デッサンの基本:狼の骨格と体型の比率を理解する

            これは写真です。

 狼をリアルに描く秘訣の一つは、その骨格と体型の比率を正確に捉えることです。デッサンの技法を使えば、狼の身体のバランスや動きを自然に再現することができます。

 本章では、デッサンの基礎と狼の骨格、体型の比率の理解を深めるポイントを学びます。

デッサンとは?

 デッサンは、フランス語で「描写」を意味します。これは、対象物の形や構造を素早く、しかも正確にキャッチする技法を指します。

 特に動物を描く際には、その動きやポーズを瞬時に捉える能力は、デッサンの技法を駆使して磨かれていきます。

狼の骨格の特徴

 狼の骨格は、延々と獲物を追いかけるタフな持久力や力強さの源です。狼の背骨は軽やかに湾曲し、四肢はしっかりとした筋肉に支えられています。

 頭部と胴体、四肢の長さの関係を理解することで、狼の体型の比率を正確に描き出すことができます。

狼の体型の比率のポイント

 狼を描く際の最も重要なポイントは、頭部と胴体の大きさの比率です。一般的に、頭部は胴体の約1/3の長さになります。

 また、狼の足は比較的長く、その長さと力強さを正確に描写することで、リアルな狼のイメージを表現することができます。デッサンによって狼の骨格や体型の比率を理解することで、リアルな狼の描画に近づくことができます。

狼の特徴を捉える:顔・目・耳・毛並みの描き方

      第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅠ 1996 F10 鉛筆画 中山眞治 

 狼の魅力を鉛筆画で再現するためには、その独特の特徴をしっかりと捉える必要があります。

 顔、目、耳、毛並みは、その魅力を形成する核心的な部分です。本章では、これらの部分をどのように描き出すかのテクニックを解説します。

顔の形と表情

 狼の顔は先細りの楕円形に近く、口元や頬の部分には筋肉の動きが強く反映されます。特に口元や鼻の部分は、狼の感情を反映する重要な部分です。

 狼が怒っているのか、落ち着いているのか、その瞬間の表情を的確に描写することで、よりリアルな狼の肖像画を描くことができます。因みに、前掲の作品は少し機嫌が悪そうですが気のせいでしょうか。^^

目の魅力を引き出す

 狼の目は、その生命感や野性を感じさせる部分です。アーモンド形の目は中心が少し上を向いており、瞳の色や光の反射をうまく捉えることで、魅力的な目元を表現することができます。

耳の構造と立ち上がり

 狼の耳は、三角形の先端が少し丸みを帯びています。内部の毛や輪郭の細部に気をつけることで、立体的な耳を描き出すことができます。

毛並みの流れと質感

 狼の毛並みは、その身体の動きや筋肉の張りを反映します。毛の長さや方向、質感を注意深く観察し、鉛筆の筆圧を調整しながら描くことで、リアルな毛並みの表現が可能となります。

 狼の魅力を的確に捉え、鉛筆画で再現するためのテクニックを学ぶことで、あなたの作品は次のレベルへと昇華します。

 尚、前掲の作品のあごの下の毛並みの流れでは、一旦淡いトーンで画面を埋めて、そこへ「練り消しゴム」で毛並みを描いています。そのようにも描くことができることを覚えておきましょう。

陰影の技法:狼の立体感を出すための光と影のコツ

         第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅡ 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

 鉛筆画・デッサンの魅力は、平面上に立体感を生むことができる点にあります。特に狼のような生命感あふれる被写体を描く際には、光と影のバランスが非常に重要です。

 本章では、狼の立体感を最大限に引き出すための陰影の技法について深掘りしていきます。

光の方向を決める

 立体感を出すための最初のステップは、光の方向を決定することです。光が当たる角度によって、影の投影や強さが変わるため、初めから明確にしておくことで全体のバランスが取りやすくなります。

ハイライトの配置

 狼の毛並みや瞳、鼻などの反射している部分がある際には、ハイライトとして強調します。

 ハイライトは、物体に生命感や輝きをもたらす要素であり、適切に配置することで、リアルな質感を表現することができます。

影の階調(グラデーション)

 影は単一の色調ではありません。遠ざかるにつれて薄くなり、または鉛筆の筆圧を変えて濃淡をつけることによって、より自然な影を表現することができます。

 狼の体の曲線や筋肉の形状に合わせて、影の濃淡を調整していきます。

狼の質感を活かす

 狼の毛並みや皮膚の質感は、陰影の技法を活かす絶好の機会です。細かい毛の流れや皺、筋肉の張りを光と影で強調することで、見てくださる人に狼の存在感を感じさせることができます。

 そして、陰影の技法を駆使して狼の立体感を表現することは、作品に深みとリアリティをもたらすことができます。これらのコツを活用し、狼の迫力と美しさを最大限に引き出しましょう。

終了と修正:練り消しゴムの活用と完成へのステップ

          第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅡ 1996 F10 鉛筆画 中山眞治

 一つの作品を完成させる過程は、ただ描き続けるだけではありません。終了に近い段階での細やかな修正や、練り消しゴムの活用は、作品のクオリティを一段と高める重要なステップです。

 本章では、作品の仕上げ方と、その際の修正のポイントを詳しく解説します。

練り消しゴムでのハイライトの強調

 練り消しゴムは、鉛筆画における強力なツールの一つです。特にハイライトや細かい部分の修正に適しています。

 狼の毛並みの中で反射する光や、目の輝きを強調するために、練り消しゴムを使って部分的に良く拭き取り、ハイライトを明確に表現します。

 ハイライトの部分では、練り消しゴムを練り、先端を鋭くしてハイライトの部分を丹念に拭き取る一方で、そのハイライトであるべきところが充分に白い、あるいは光って見えないときには、隣接する濃い色の部分へのトーンが足りていないのです。

 その場合には、本来濃い色であるところを、さらにもう一段濃くすることで、白いあるいは光っている部分を強調できます。

修正の際の注意点

 鉛筆画において、描いた部分を修正する際は慎重に行う必要があります。強くこすると紙が傷ついてしまう可能性があるため、軽く少しずつ修正していくことがコツであり、全体のバランスを見ながら修正することで作品の一貫性を保てます。

 尚、強い筆圧で描いた鉛筆跡を消すためには、練り消しゴムでは消えないことがありますが、その際には、プラスチック消しゴムや、場合によっては鉛筆型の形状の「MULTILITH ERASER」という消しゴムで修正することもできます。

作品の全体的なバランスの確認

 仕上げの段階では、作品全体の調和や対比をチェックします。一部に過度な強調や陰影の不足がないか、全体的に明るすぎる、または暗すぎる部分がないかを確認し、必要に応じて調整します。

 尚、暗すぎる部分がある場合につきましては、練り消しゴムを押し当てることで、濃い陰影を薄くすることができます。

最終仕上げのテクニック

 終了に近づくと、細部の強調や質感の調整が重要になります。例えば、狼の毛並みの細かな流れや、耳や鼻の質感をよりリアルにするための微調整などが挙げられます。

 鉛筆画を完成させる過程では、細密な取り組みと注意が求められます。しかし、その過程を丁寧に進めることで、より高品質な作品を生み出すことができるでしょう。

 終了時とは、あなたの作品が輝きを放つ瞬間です。それを最大限に活かすためのテクニックと心構えを持つことが、素晴らしい作品への鍵となります。

まとめ

           第2回個展出品作品 寂夜 2001 F10 鉛筆画 中山眞治

 鉛筆画は、シンプルな道具である鉛筆だけを使用して、深い立体感や現実性を持った作品を生み出すことのできる芸術の形式です。

 特に狼のような動物を題材とした作品は、その表情や毛並み、質感を正確に捉えることで、見てくださる人に深い感動を与えることができます。

 まず、成功の鍵は適切な準備から始まります。使用する鉛筆の種類や硬さ、そして描画の基本であるデッサンによって、狼の骨格や体型の比率をしっかりと捉えることが重要です。

 これにより、狼の持つ独特の立ち姿や動きをリアルに再現する土台が築けます。次に、狼の顔や耳、目、毛並みなどの特徴的な部分の描写に注力します。

 細密な観察と、狼の特性を理解することで、その美しさや野性を感じさせる描写が可能になります。

 そして、陰影の技法です。立体感を生み出すためには、光の方向や強さ、影の濃淡を考慮しながら描写することが欠かせません。特に狼の毛並みや筋肉の形状に合わせて影をつけることで、その存在感や立体性が際立ちます。

 最終的には、終了と修正の段階へと移行しますが、練り消しゴムを活用して細部のハイライトを強調したり、濃い色の部分にもう一段濃い色を乗せることで、作品全体のバランスを調整し、鉛筆画の完成度を一層高めることができます。

 そして、その過程を経て完成した作品は、見てくださる人々に深い感動を与えられて、作品の背後にある物語やメッセージも伝えることができます。

 これらのステップやテクニックを身につけることで、あなたも狼の持つ美しさや力強さを、鉛筆画で表現することができるでしょう。

 尚、あなたが展覧会や公募展へ出品を希望する際には、ただモチーフを上手に描けるだけでは入選できません。

 それは、あなたの制作する画面全体を使って、作品全体を魅力的な構成にする必要があるのです。その内容について興味のある人は、次の関連記事を参照してください。

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ではまた!あなたの未来を応援しています。

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