鉛筆画・デッサンにおける美しい花のデッサンテクニックを学ぶ!

花の描き方

 どうも。鉛筆画家の中山眞治です。暑い夏にはソウメンがおいしいですね。しかし、ここのところ昼ごはんは毎日ソウメンなので、若干飽きてきた今日この頃です。元気でお過ごしでしょうか。^^

 ところで、花の美しさを鉛筆画・デッサンで表現するには、緻密な観察力と細密な描写が必要です。この記事では、初心者から上級者までにわたり、美しい花を描くための秘訣をお伝えしていきます。

 同時に、今回の記事では、実践的なステップバイステップガイドにより、あなたの花のデッサンスキルを向上させることにも役立つでしょう。

 それは、花の形や質感を描くためのポイントや鉛筆の使い方、陰影の付け方など、具体的なテクニックを丁寧にご紹介します。また、特定の花に焦点を当てた記事も併せて掲載します。

 あなたは、このコンテンツに基づいて、成功や失敗を繰り返しながら、たゆまぬ努力を継続していくことで実践的なスキルを向上させることができます。

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 それでは、早速見ていきましょう!

鉛筆画・デッサンで花の美しさを追求するテクニック

 まずは、花の美しさを最大限に引き出すための鉛筆画・デッサンのテクニックをご紹介します。そのためにも、当初実行すべき重要な点は、花の形や構造を正確に表現する必要があるので、観察力を養うことが極めて重要です。

 また、花の形状や質感をじっくりと観察し、細部にまで目を向けることが、リアルな作品を描くことを可能にするのです。

鉛筆の選び方と使い方

 そして、適切な鉛筆を選ぶことは、花のデッサンのしやすさにつながります。つまり、軟らかい鉛筆(2Bや3B)は全体の輪郭のデッサンをする際に適していますし、各種濃淡の鉛筆は各部の適切な陰影をつけるのに必要であり、花の立体感を強調するためにも役立ちます。

 同時に、鉛筆を使いこなすためには、さまざまな線の描き方や鉛筆の使い方をマスターし、細密なタッチを繰り返し練習することが大切です。具体的には、縦横斜めの4方向からの線による組み合わせで面を埋める「クロスハッチング」を中心に、さまざまな描線を学びましょう。

 尚、鉛筆画・デッサンで使う道具類については次の記事を参考にしてください。ただし、注意が必要なことは、最初からすべての道具を揃える必要はないということです。

 また、イーゼルやイスは絵画教室にありますし、鉛筆は当初2H・H・HB・B・2B・3B・4B程度あれば充分であり、あとは練り消しゴムを1つと、スケッチブック(F6やF10)があれば充分です。あなたが、興味をもって描き続けていく自信を持てましたら、少しづつ揃えていきましょう。

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光と影の効果をフルに活用する

 花の美しさを強調するためには、光と影を効果的に活用することが必要です。 花の立体感を出すために影を適切に施し、自然な質感を表現することがポイントです。ハイライトになる部分は明るく、影になる部分は暗く描くことで、花の立体感が際立ちます。

 また、丸い部分はその「丸さに沿った描き方」が必要になりますし、形状を認識しづらい場合などでも、「タッチ」を有効に使うことで、それらしく見える工夫が必要です。この点については後述します。

 そして、背景の濃淡や模様も工夫することで、花の魅力を引き立てることができます。具体的には、揺れ動いているような背景を作って、画面に動きを出すことができます。

デッサンの熟練者が教える花の魅力を引き出す方法

 美しい花の魅力を、最大限に引き出すためのデッサンテクニックをお伝えします。それは、花の本質を見極める方法や細部へのこだわりなど、詳細な部分にまで及びます。

花の特徴を正確に伝えるための観察力の養成

 花のデッサンを始める前には、繰り返しになりますが、写真や実物の花をじっくり観察することで、花の特長を正確に認識することができます。観察力を養うことで、デッサンに自然の魅力と美しさを投映できます。

 具体的には、一つの花全体の形状及び、花を構成している花びらの形状や、花びらと花びらとの接点と影のでき方、茎と葉の形状と接合状態及び質感や、光の当たっている部分と影のつき方などです。

花の美しさを引き出す陰影の重要性

 花の美しさを引き出すためには、陰影をうまく活用することが必要です。陰影は花の立体感を強調し、花の形をよりリアルに表現することに役立ちます。

 これらのテクニックを身につけることで、花に対するデッサン力が少しづつ進化し、美しさと表現力に溢れる作品を制作することができるでしょう。

 ぜひ、あなたも、このアドバイスを活用し、あなた自身の花のデッサンをより一層魅力的なものにしてください。

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花のデッサンテクニックを磨くための効果的なアプローチ

 花のデッサンを、より磨くための効果的なアプローチをご紹介します。熟練者が実践するテクニックや練習方法をまねることで、あなたの花のデッサンスキルは飛躍的に向上するでしょう。

継続的な練習と挑戦が必要です

 花のデッサンを磨くには、継続的な練習と新たな課題への挑戦が欠かせません。毎日少しずつでも花を描く習慣を身につけることで、手の動きや観察力が向上し、自然な描写が身につきます。

 同じ花を何度も描くことは、その花の特徴や形状を記憶して、その花の持つ特徴に合うデッサンを行えることにつながります。また、別の花の種類に挑戦することも重要です。

 描いていくごとに、あなたのデッサンスキルは向上してきますので、要領を覚えてデッサンスキルを向上させましょう。そのためにも、とりかかりの当初は、咲き姿のシンプルで白い花のトルコ桔梗やユリなどのような花を選ぶことがおすすめです。

熟練者のアドバイスと指導書の活用

 花のデッサンに関しては、熟練者たちからのアドバイスや指導書を積極的に活用することが大切です。ウェブサイトや書籍、動画などで、熟練者のデッサンテクニックを学び、自分の絵に取り入れてみましょう。

 熟練者の作品を観察し、彼らがどのようにして花の美しさを表現しているのかを理解することで、あなたのデッサンに、新たな発想やアプローチの手法がイメージできるでしょう。また、コミュニティや絵画教室に参加することで、他の画家と交流し刺激を受けることも有益です。

 これらの効果的なアプローチを実践し、熱心に花のデッサンに取り組むことで、あなたのスキルは向上していきます。根気強く努力し、熟練者のテクニックを吸収しながら、花のデッサンを描く喜びを体験してください。

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美しい花を描くための鉛筆画デッサンのステップバイステップガイド

 花の美しさを鉛筆画・デッサンで表現するには、丁寧なステップバイステップのアプローチが重要です。このガイドでは、初心者から上級者まで、花を描くための具体的な手順とテクニックを詳しくご紹介します。

ステップ1 : 花の検討と観察

  まず、描く花を選びます。リアルなデッサンを目指す場合は、実際の花や写真を注意深く観察することが必要です。花びらの形、茎に対する葉の付き方、花全体の構造をよく観察しましょう。細部にも注意を払って、特徴を把握します。

 尚、鉛筆画・デッサンに適した花は、最初の段階では、白く花びらの形状が複雑でないものを選びましょう。バラ・カーネーション・ヒマワリのような複雑な花は、あなたが花の絵を描くことにある程度慣れて来てからにしましょう。

 最初から複雑な咲き姿の花を選んでしまうと、おそらく「挫折」するか、運良く描けても、その先に進む意欲がなくなってしまいかねないからです。また、できるものであれば、最初に手掛ける場合には、白くて咲き姿が複雑でない造花から取り組むのがよいでしょう。

 なぜならば、あなたが初めて花に取り組む場合には、思いのほか時間がかかるので、生花では「しおれたり・枯れたり」してしまうからです。

ステップ2 : 下描きの作成

  鉛筆を親指・人差し指・中指で軽く持ち、軽い線で花全体の輪郭を描きます。 下描きには細かい描写は不要であり、花の全体的なサイズや位置を決めることを目的に描き進めましょう。

ステップ3 : 基本的な形状の描画

 花の基本的な形状を描き始めます。まず、全体の形の描写に集中しましょう。大雑把な描線によるデッサンが完了しましたら、文字を描くときのような持ち方に変えて、全体の輪郭線を完成させましょう。この時もあまり強く力を入れない方が後々修整しやすくなります。

 そして次の作業では、練り消しゴムを練って先端部分を「マイナスドライバー」のような形状にして、輪郭線全体の中で、不要な線を整理しましょう。

ステップ4 : 陰影の付け方

  花の立体感を出すためにも陰影を付けます。 光源の方向を意識して、花の立体的な形に合わせて陰影を入れていきます。HBやBなどの鉛筆で、力を入れずに柔らかな陰影を表現することがポイントです。花びらにできる陰影は、2HやHなどの鉛筆で優しくタッチを重ねましょう。

 しかし、光源の状態によっては、仕上に近づいた時点で、しっかりと濃い影を描き込むことによって、花がより一層輝いて見えるようになります。あなたが見ている画面の中の一番濃い色の陰影には、その濃淡に見合った陰影を入れましょう(3Bや4B)。

ステップ5 : 細部への表現にも注意を払う

 細部の基本的な形状と暫定的な陰影を入れ終わりましたら、次は、より細部にわたった描き込みをしていきましょう。具体的には、花びらの模様や葉脈、花芯など、花の特徴的な部分を丁寧に描いていきます。

 光が当たっている部分の花芯の描き方では、HやHBなどで力を入れ過ぎずに、優しくデッサンを進めましょう。力を入れ過ぎてしまうと、仕上げの段階で描線が消しにくくなってしまうからです。

ステップ6 : 背景の描画

 花を引き立てるためには、花に適した濃淡や模様を選んで描画しましょう。「濃い色の葉」及び「枯葉」や「地面」を背景に持ってくることで、花が前面に浮き出るような描写ができます。

背景の質感と花の対比

 質感をリアルに表現する際には、背景と花の質感の対比も考慮することが必要です。背景の質感をシンプルにすると、花がより目立ち、リアルな質感が際立ちます。また、背景にも質感を持たせることで、花の魅力をさらに増すこともできるでしょう。

 質感表現は、花の描画に関しては重要な要素であり、細部にもこだわりながら描くことがポイントです。 花の質感をよく観察し、鉛筆の描き方を工夫することで、初心者でもリアルな花の描画を楽しむことができるでしょう。

 特に、白い花を際立たせる方法としては、花の背景に濃い色の「葉」や「枯葉」もしくはそれ以外の「色の濃いモチーフ」や「地表面」を持ってくることで、白い花を引き立てられます。

 また、あなたの好みの「揺れ動いているような背景」を作ることも可能でしょう。今までにしたころがないのであれば、あえてこの「揺れ動いているような背景」にチャレンジしても良いのではありませんか?

ステップ7 : 画面全体と各モチーフの構成を再度確認

 最終的な仕上げとして、全体のバランスや細部の調整を行います。必要に応じて修整を加えて、美しい花の鉛筆画・デッサンの完成です。

 そして、ここから鉛筆画として仕上げていく場合には、画面に入れるモチーフ全体の中で一番濃い色の部分から描き始めましょう。その濃い色を基準として、徐々に明るい部分へと描き進みます。そして、最終的には、当初描き進んだ一番濃い色の部分をもう一段濃くします。

 また、ハイライト部分は、練り消しゴムを練ってマイナスドライバーのような形状にして、念入りに拭き取りましょう。つまり、明暗のコントラストにメリハリを持たせて仕上げるということです。

 これらのステップバイステップのガイドに従い、あなたも美しい花の鉛筆画・デッサンを楽しんでください。細密な描写と情熱を込めた表現が、花の美しさを一層際立てるでしょう。

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初心者から上級者まで!花のデッサンで差がつく5つの秘密のテクニック

 花のデッサンにおいて、初心者から上級者までが、他の人に差をつけるための秘密のテクニックをご紹介します。 このテクニックを習得することで、あなたの花のデッサンは飛躍的に向上し、より美しく魅力的な作品を完成させることができます。

秘密のテクニック1: 観察力の養成

 花のデッサンに関しては、正確な描写が重要です。やはり、 まずは花をよく観察することから始めて、花びらの形状や葉の茎に対する付き方、花の質感などを細部まで把握しましょう。現物をじっくりと観察することで、リアルなデッサンが可能になります。

秘密のテクニック2: 陰影の効果的な描写

 花の立体感を引き出すためには、陰影の描写が欠かせません。 光源の方向や強さに応じて、花の陰影を慎重に入れていきましょう。細密なタッチで陰影を表現することで、花の立体感が一層際立ちます。

秘密のテクニック3: タッチの重ね方

 花の描画において、タッチを重ねていくことは重要なテクニックです。 複数の鉛筆の硬さや濃淡を巧みに使い、花の色や陰影をより自然に表現することができます。

 それは、例えば白以外の花を描く場合であっても、細密描写によって色のある花を表現することもできるのです。

鉛筆画・デッサン制作時の形態を表すタッチについて

       出典作品:東京武蔵野美術学院・監修 鉛筆デッサン 大寺聡氏

 本来、モチーフにタッチがあるわけではありませんが、鉛筆デッサンではタッチを用いて面の方向や形態を表現できます。

 尚、タッチとは、「モチーフの形状の成り立ちを印象として判別できる手法」という解釈がありますし、「画面上に残された筆や絵具の跡が作家の個性を表わす要素」という見方もできます。

 そして、モチーフが前光(真上からの光)の状態で、調子(※)がわずかしかないときや、白いモチーフをあまり黒くせずに表現したい場合には、タッチを上記画像のように使い分けると効果的です。

(※) 鉛筆で描いたグレーの濃淡、明暗など、階調の状態・様子。

秘密のテクニック4: 花の細部の描写

 花の美しさは輪郭に宿っています。 花びらの模様や葉脈、花芯など、花の細部を丁寧に描写することで、デッサンの見映えと迫力を与えられますので、細心の注意を払って花の特徴的な部分をじっくり描いてください。

秘密のテクニック5: 個性的な表現の追求

 最後に、花のデッサンにおいては個性的な表現を追求することも重要です。熟練者の作品を参考にしつつ、独自のスタイルを見つけ出しましょう。自分らしいアプローチで花を描くことで、より感動的な作品を生み出すことができます。

 例えば、満開に咲き誇った花の背景に、大きな濃い色の枯れた葉を持ってきて、「生と死の対比」をして、より一層花の生命力を強調するとか、ミツバチなどが花芯にいる状態を描いてみるとか、花びらの一つに細密描写した「水滴」を描いてみるとか、アイデアは尽きませんね。^^

 これらのテクニックをマスターすることで、初心者から上級者までが輝く花のデッサンを極められます。地道な練習と情熱で、ご自身の作品を増やしていきましょう。

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まとめ

 花の美しさを表現する鉛筆画・デッサンには、正確な観察力が欠かせません。花の形状や構造、花びらの細部を丁寧に観察して、リアルな表現を追求しましょう。

 花の立体感を強調するために光の効果を活用する方法や、タッチを重ねていくことは濃淡や質感の表現、花の輪郭の描写への追及がデッサンの質を向上させます。

 そして、効果的なアプローチとして、継続的な練習や新たなモチーフへの挑戦を推奨します。 毎日少しづつでも花のデッサンに取り組み、新たな花の種類に挑戦することは、花のデッサンスキルを向上させることにつながります。

 熟練者のアドバイスや指導書も活用して、他の画家と交流を持つことも重要です。オンラインのアートコミュニティや絵画教室を利用することで、アイデアやインスピレーションを得ることもできます。

 ステップバイステップのガイドでは、花のデッサンの基本から細部の描写、背景の描画までをしっかり描き込みましょう。デッサンの際には、下描きを作成して全体のバランスを把握することや、陰影の重要性を理解して立体感を表現することがポイントです。

 最後に、初心者から上級者までに向けた5つの秘密のテクニックでは、観察力の養成、陰影の効果的な描写、タッチを重ねた描き方の活用、花の輪郭の描写、個性的な表現の追求など、これらのテクニックをマスターすることで、花のデッサンで差をつけることができます。

 尚、あなたが展覧会や公募展へ出品を希望する際には、ただモチーフを上手に描けるだけでは入選できません。それは、あなたの制作する画面全体を使って、作品全体を魅力的な構成にする必要があるのです。その内容について興味のある人は、次の関連記事を参照してください。

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 ではまた!あなたの未来を応援しています。

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