どうも。私は、プロ鉛筆画家の中山眞治です。
さて、このガイドでは、鉛筆画とデッサンの技術を磨くための必須描画ツールに焦点を当てます。
初心者の人が基本をしっかりと把握し、中級者の人がさらなる技巧を習得するための機能的なツールの選び方と使い方を、わかりやすく解説しています。
鉛筆の種類、紙の質感、適切な消しゴムの使用法まで、あなたのデッサンを次のレベルへと導く情報が満載です。
それでは、早速見ていきましょう!
鉛筆の基本:適切な持ち方から描画技術まで
鉛筆の持ち方の基本
鉛筆の持ち方は、デッサンの正確性と表現の幅を左右します。指先で鉛筆を軽く握って描く方法は、より自由な線を描きやすくなり、大胆なストロークや広範囲の陰影技法が可能な持ち方にもなります。
具体的には次のような4種類の持ち方もありますが、必ずそのようにしなければならないという決まりはありませんので、「一応知っておく」というくらいで参考にしてください。
ただ言えることは、描き始めで全体に薄く幅広く陰影をつけながら全体のバランスを見る際には、鉛筆の芯を長く削り、鉛筆を寝かせたような状態で幅広く陰影を入れて調子をつける(※)こともできます。
また、大まかな輪郭の、大雑把な描き込みから仕上げに向かうにしたがって、文字を書くときの鉛筆を立てる握り方は、濃くくっきりとした描き込みができるようになりますので、そのようなことも意識して持ち方を考えましょう。
練習を重ねることで、これらの握り方を使い分けることが、プロフェッショナルな作品を生み出す鍵にもなります。
※「調子をつける」とか「調子で描く」ということは、色彩の明暗、強弱、濃淡などの的確な取り扱いを通して、立体感や空間感を表すことです。
絵の描き始めの大まかな輪郭を描く時や、広範囲を塗る際の持ち方
筆圧を強める時の持ち方(上からかぶせるように・短めに持つ・小指を画面に充てて支えながら親指で押すように描く)
軽く細かく塗るときの持ち方、人指し指・中指・親指でつまむように
鉛筆を立てて文字を書くときの持ち方
出典画像及び参考:リアル絵・デッサンの鉛筆の持ちかた リアル絵の描き方リアル絵・デッサンの鉛筆の持ちかた | 3度見される絵を描こう~リアル絵の描き方 (realdrawing.jp)
初心者向け鉛筆画・デッサンテクニック
鉛筆画・デッサンの技術は多岐にわたりますが、基本は線の描き方から始まります。まずは軽い筆圧で直線や曲線を描く練習をしましょう。次に、さまざまな筆圧を加えて線の太さや濃淡を変えるテクニックを試してみてください。
また、クロスハッチング(※)など、異なる陰影技法を学ぶことで、作品に深みと質感を与えることができます。これらの基本をマスターすることで、鉛筆画の表現力が格段に向上します。
※ クロスハッチングとは、種類の異なる方向からの線によって面を埋めることです。例えば縦横斜めの4通りの線で面埋める場合に、作業しにくい時には、スケッチブックの向きを変えれば簡単に引くことができます。
適切な消去技術で描画を修整
消しゴムは単なる「間違いを消す物」ではなく、鉛筆画・デッサンにおいては重要な描画ツールです。柔らかい消しゴムを使用して、軽いタッチで消すことによって、明るい領域を作り出したり、コントラストを調整したりできます。
また、消しゴムを鉛筆と同じように使って線や形を描くことで、ハイライトや微妙な質感を加えることも可能です。消去技術を磨くことは、作品の完成度を高める上で不可欠なスキルです。
具体的には、人間や動物を表現する際に、優しいタッチで、一旦薄いトーンで対象となる部分をクロスハッチングなどで埋めておき、そこへ「練り消しゴム」を練って先端を鋭くした状態で、「毛並みを描く」こともできます。
また、練り消しゴムを練って、幅広い「扇状」の形にして、画面に濃く描き過ぎた鉛筆を優しくなぞって、トーンを明るくすることもできます。
第1回個展出品作品 ブラザーウルフⅠ 1996 F10 鉛筆画 中山眞治
制作画面に手をつく際の注意点
制作を進めていく内に、制作の姿勢を保持するためと、無理な姿勢で描かないようにするためにも、画面に手を付くことがあります。しかし、そのような場合には、「腕チン」という道具もありますが、長めの棒状なので使いずらいこともあるでしょう。
そこで、そのような場合には、A4サイズの不要な紙・折り込みチラシ・新聞でも良いので、鉛筆を握っていない方の手で、画面上にその紙を置いて、その上から手をつきましょう。注意点は、その紙は引きずって移動させないことです。
鉛筆画・デッサンの基礎:形と空間を捉える方法
第1回個展出品作品 反射 1996 F10 鉛筆画 中山眞治
形の認識と基本的な形状の描き方
デッサンの基本は、モチーフの形を正確に捉えることから始まります。円、四角、三角といった基本的な幾何学形から練習を開始して、複雑な形に進んでいきましょう。
そして、モチーフを大まかな単純な形から描き始めることで、モチーフの縦横斜めなどの寸法上の比率と、構造を理解しやすくなります。
また、視点による形の変化を意識することは、立体のモチーフを平面上へ再現が可能になります。この段階での練習は、のちの複雑なデッサンに向けた基礎固めになります。
空間との関係性を描く技術
形を描くことと同じくらい重要なのが、それらが存在する空間を理解することです。遠近法の原則を学び、それを応用して、作品に深みを与えましょう。
一点透視法や二点透視法を使って空間の奥行きを表現する練習をし、モチーフが空間内でどのように位置関係を持つのかを描き出します。この技術は、現実的なデッサンを創出するための鍵となります。
出典画像:【パース入門講座】遠近感のある絵が描きたい! イラスト・マンガ描き方ナビ
【パース入門講座】遠近感のある絵が描きたい!【透視図法】 | イラスト・マンガ描き方ナビ (clipstudio.net)
光と影を使った立体感の表現
立体感を出すためには、光と影の扱いは非常に重要です。光源の位置を意識し、それに応じた影の落ち方を観察しましょう。
ハイライト、中間調、最も暗い部分、反射光、そしてモチーフが投映する影を利用して、形の3次元的な質感を表現する練習をします。これらの要素を駆使することで、デッサンに現実性と生命を吹き込むことができます。
陰影と質感の表現:鉛筆画・デッサンに深みを加えるテクニック
第1回個展出品作品 夜の屋根 1996 F10 鉛筆画 中山眞治
鉛筆・デッサンの濃淡をマスターする陰影技法
陰影を描く際、鉛筆の濃淡を理解し、コントロールすることが不可欠です。薄い線から始めて徐々に圧力を加えることで、豊かな階調(グラデーション)を生み出します。この段階的なアプローチにより、形の丸みや立体感を自然に表現できます。
また、異なる硬度の鉛筆を使い分けることで、より細かい質感のニュアンスを描き分けることが可能になります。例えば、明るい影をH系の鉛筆で描き、濃い影はB系の鉛筆を使って描くということです。
質感をリアルに再現する描画法
質感の表現は、観察力が鍵です。木の皮の粗さ、布の柔らかさ、金属の光沢など、触れることで感じる質感を視覚化する必要があります。クロスハッチングやボカシ技法などのテクニックを駆使して、これらの質感を細かく表現しましょう。
同じ圧力で一定の間隔を保ちながら線を重ねることで、緻密な質感の変化を鉛筆画に落とし込むことができます。
尚、ボカシ技法は、擦筆やティッシュペーパー、あるいは指で画面を擦ることで得られる効果を活用するということです。
東京武蔵野美術学院・監修 鉛筆デッサン 石原崇 氏
光と影による立体感の創出
立体感のある陰影は、光の方向と強さに密接に影響を受けています。光が当たる角度を意識し、それによって生じる影の範囲と濃度を描き分けることで、物体に深みを与えられます。
ハイライト(一番明るい部分)の位置を明確にし、陰影との境界に中間調を設けることで、形の曲線やエッジを強調し、視覚的な現実性を高めることもできます。
描画ツール:初心者が知るべき必需品
基本的な描画ツール:鉛筆の選び方
デッサンを始めるにあたって、異なる硬度の鉛筆は必須です。柔らかいBシリーズの鉛筆は濃い線に、硬いHシリーズは明るい・細かい線描きに適しています。
初心者の人は、幅広い表現を学ぶために、当初は2H・H・HB・B・2B・3B・4Bまでの7本の購入をおすすめします。これにより、異なる質感と陰影を表現する基礎を身につけられます。
あなたが、この鉛筆画・デッサンを続けていける決心がつきましたらば、もう少し幅広い種類の鉛筆を揃えましょう。因みに鉛筆は、10H~12Bまであります。詳細は次の記事を参照してください。
関連記事:初心者必見!鉛筆画・デッサンで最適な鉛筆の選び方とその特性ガイド
適切な紙の選択:デッサン用紙の特性
デッサンの成果は、使用する紙によって大きく左右されます。粒度のある紙は、鉛筆の線に質感を与え、リアルな陰影効果を作り出すのに適しています。
初心者は、中目のスケッチブックから始めて、さまざまな質感の紙を試しながら自身に合ったものを見つけると良いでしょう。紙の質が高いほど、消しゴムを使った修正もしやすくなります。
尚、粒度とは、例えば「紙やすり」などのように、画面の細かな「ザラつき」が敷き詰められているものさしていますが、スケッチブックにもそのような種類があります。
その理由は、その画面へ描くことによって、リアルな質感が表現できるからです。特に、柔らかい鉛筆や木炭(チャコール)を使う場合には魅力的な表現が可能です。
逆に、画面が「ツルツル」のケント紙などもありますが、描きやすさの点から見れば、多少ザラツキがあった方が、「鉛筆の乗りが良い」ので、中目がおすすめです。因みに、筆者も中目のスケッチブックを使っています。
関連記事:鉛筆画・デッサン初心者から中級者必見!最適なスケッチブックと紙の選び方
イーゼルについて
イーゼルは、絵画を始める当初は、あなたの自宅近くや通勤の途中にある「絵画教室」で基本を学びましょう。それは、あなたが絵画を学ぶ場合には、ごく基本的なことは「絵画教室」で学ぶ方が良いからです。
絵画教室には、イーゼルとそれに合ったイスもありますので、取り組みの当初にはそのような環境で学ぶことがおすすめです。尚、あなたが自宅でも取り組む場合には、下の画像のようなイーゼルが専門店や画材店で購入できます(1万円前後)。
画像のような小型のイーゼルでは、それに合ったイスを見つけにくいかもしれませんので、イーゼルの下の画像のような「踏み台」をホームセンターなどで購入してくる手もあります。または、雑誌などを積み重ねて使う方法もあります。
尚、筆者はこのイーゼルとイスで、F30号までの制作をしています。F30号を製作するときには、壁も使って画面を安定させて描いています。
補助ツール:消しゴム・鉛筆削り・鉛筆ホルダーの重要性
正確な描画には、専用の消しゴムと鉛筆削りも不可欠です。柔らかいタイプの「練り消しゴム」は、紙を傷めずに鉛筆の線を消すことができて、細かい修正にも適しています。また、「練り消しゴム」の良いところは、消しカスが出ないところです。
そして、消しゴムの種類は多岐にわたり、使用する紙の種類や描画する素材によって適したものを選ぶことは大切です。プラスチック消しゴムは、強い消去力がありながら紙を痛めにくいため、画面の消し込み状態によっては必要になります。
また、鉛筆削りは鉛筆の先を均一に尖らせるために重要で、これにより繊細な線や細部の描画が可能になります。これらのツールを適切に使用することで、作品の質が向上します。
尚、鉛筆の芯を長く出して寝かせて使う場合や、鉛筆が上の画像のような鉛筆削りでは削れなくなった場合などには、「鉛筆ホルダー」を使えば、カッターで削って使い切ることができます。
正確な線と角度:定規と分度器の活用
定規は直線を引く際に不可欠で、デッサンにおいて構図を整えるのに役立ちます。透明定規を使用すると、下にある線を見ながら正確に位置を決めることができます。筆者の場合には、1m/50cm/30cmの3種類を使い分けています。
分度器は、特に建築物や機械的な物体を描く際に、正確な角度を測定し、再現するのに有効です。絵画にこれらのツールを駆使することで、作品に緻密さと正確性をもたらすことが可能になります。
コンパスで描く完璧な円と曲線
コンパスは、完璧な円や曲線を描くための重要なツールです。特に幾何学的なデザインやパターン、または自然界の対称的な形を描く際に役立ちます。
安定した中心点を確保し、一定の半径でスムーズに動かすことで、一貫性のある形状を作成できます。コンパスを使いこなすことは、技術的な描画能力を高めるために有効です。
尚、コンパスを使う際には、針を画面に強く突き刺してしまうと、その後の修整が困難な場合もありますので、できるだけハリは浅くそっと刺して使いましょう。
ただし、定規・分度器・コンパスを使うのは、自宅で制作する場合にしましょう。絵画教室では、これらのツールに頼ることを嫌う先生が多いので、注意が必要です。ふと、振り返ったら「顔を真っ赤にした先生」が立っていたら怖いですよね。^^
仕上げ後の画面処理
先走りますが、作品が完成しましたら、その上から「フィキサチーフ」を吹き付けます。これは簡単に表現すれば材木などの加工後に塗る「ニス」のようなものです。
下の画像のようなものですが、気温が低い時には、洗面器などへお湯を張り「湯煎」してから使いましょう。成分を温めてよく混ぜると同時に、スプレーの噴霧に勢いがつきます。
吹きかけ方は、色々ありますが、筆者の場合には、4角い画面の4辺に吹きかけ、徐々に全体へ噴霧します。近づけ過ぎるとかかり過ぎるので、30cmくらい離して噴霧しましょう。
この場合、何度も噴霧しすぎると、画面に液だれしますし、少な過ぎると画面に鉛筆を定着することができませんので、筆者の場合には、全体を2度ほどかかり過ぎないように噴霧させています。
尚、噴霧後は、10分くらいで乾きますので、できれば外で噴霧するのが良いかもしれませんが、風の強い時には室内で噴霧した後で、部屋を換気しましょう。また、引火性があるので、火のそばでは使わないように注意が必要です。
商品にはいろいろなサイズがありますので、あなたが、本格的に続けていく決心がつきましたらば、徳用サイズの購入がおすすめです。小さいものは携帯用まであります。
まとめ
第1回個展出品作品 ノスリ 1996 F10 鉛筆画 中山眞治
デッサンにおける基本的な描画ツールは、初心者が技術を磨き、中級者へとステップアップするために欠かせないアイテムです。
鉛筆は、Bシリーズで濃い線を、Hシリーズで細かい線を描くことにより、作品に深みと質感を与えられます。
適切なスケッチブックや紙の選択も重要で、中目のスケッチブックは初心者に最適です。消しゴムは、柔らかい「練り消しゴム」を選ぶことで、紙を傷めることなく、細かい修正が可能になりますが、状況によりプラスチック消しゴムも必要です。
また、鉛筆の先を均一に尖らせるための鉛筆削りの使用は、細部の表現を精密に行う上で不可欠です。
デッサンの精度を高めるためには、透明定規や分度器も有効です。これらは直線や正確な角度を描く際に必要で、特に建築物や街並みを描く際には欠かせません。
コンパスを使用することで、完璧な円や対称的な曲線を描くことが可能になり、幾何学的なデザインや自然界の形を精確に表現することができます。自宅の制作で使いましょう。^^
このようなツールを正しく使いこなすことで、初心者の人は基本的な技術を確固たるものにして、より高度な描画技術に挑戦するための土台を築くことができます。
描画ツールの正しい知識と選択は、デッサンの技術向上に直結し、作品の質を大きく左右します。
このガイドは、それぞれのツールの利点と使用方法を理解するための手助けとなり、初心者がプロのような作品を描くための道を開くことでしょう。
尚、あなたが展覧会や公募展へ出品を目指す場合には、ただモチーフを上手に描けるだけでは入選できません。
それは、あなたの制作する画面全体を使って、作品全体を魅力的な構成にする必要があるのです。その内容について興味のある人は、次の関連記事も参照してください。
関連記事:鉛筆画・デッサンの魅力を最大限に引き出す!構図導入の必要性と方法とは?
ではまた!あなたの未来を応援しています。
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